23 雷門side ページ24
「監督!特訓を始めましょう!」
灯台元のキャンプで、昼食もそこそこに天馬は言った。3日後の試合までに限られた時間、シュウとの特訓。今すぐボールを蹴りたい、と目を輝かせながら。
「おい、松風。本当にソイツらはゴッドエデンと関わりはないのか?」
勢いづく天馬に釘を刺すように不動が言う。彼はまだエンシャントダークとは出会っていない。どうしても信頼しきれないものがあった。
「不動さんの疑問ももっともです。俺達はこの島の住民ではないのかとも考えたのですが…」
「それはないな。この島に住民がいて栄えていたのは遠い昔で、ゴッドエデン以外に人がいる場所はない」
神童の言葉を不動は否定した。すると不動の問いかけに対しずっと考えていた天馬が、
「ゴッドエデンに関係あるかないか、俺にはまだよく分かりません。でも俺、シュウがフィフスセクターの考えで動いてるってどうしても思えないんです。
もし森に行って、アイツがいなければそれだけのことだし、いたら、俺達を面白いって言った気持ちは本物なんだって思います」
と、言葉を選ぶように言った。天馬の言葉に、ずっと俯いてなにやら考えていた剣城が顔を上げる。
「あのマネージャーについてはどう思う?唯の審判の割には動きが良すぎやしないか?」
「確かにねぇ、山羊が出てきた時も一番最初に反応してた気がする」
シュウ以外で唯一雷門と関わっている、Aにも疑いの矛先は向いた。剣城の言葉に、狩屋も賛同の意を示す。
「五月雨さんのことは、俺にはよく分かんないけど…でも、あのチームのマネージャーなら、身体能力が優れてても不思議じゃないんじゃないかな?少なくとも、俺はそう思う」
「…天馬を信じてみようか」
場をまとめるように、円堂が声を上げた。
「それに、あの森は自然の特訓場として魅力的だ。レベルアップのヒントを彼方此方に感じ取った。限られた時間でどこまで自分を伸ばしていけるか、限界に挑戦しよう。
そしてこの特訓は、これからのHRでも必ず役に立つ。お前達をサッカープレーヤーとして更に育ててくれる筈だ」
雷門イレブン達は力強く、「はい!」と頷く。円堂の号令を受け、雷門はゆっくりと特訓へと動き始めた。
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作者名:わらびもち | 作成日時:2020年8月18日 23時