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結果オーライってやつか
彼奴がくれると云う手作りマフィンに免じて、立原の仕出かした所業はお咎めなしってことにしてやろう
別段甘いのが好きって訳じゃねえが、彼奴が関わったもんなら話は別だ
「あのー、中也さん、その、」
「__で、今日の予定は」
「あ、はいッ、えーっと、先日うちのシマを散らかした輩の殲滅っす」
「そうか」
ヨコハマの夜__すなわち俺らポートマフィアの時間はまだ明けたばかりだが、別に暴れるのにゃ時間は選ばねえ
むしろ朝からひと暴れさせてくれるような、骨のある奴らを期待したいところだ
__が
思い出されるのは昨夜交わした会話
玄関口で鉢合わせた彼奴相手に、夜中は危ないだの、俺が居れば危なくないだのと
____全く、どの口が云ってやがんだか
ポートマフィア五大幹部の一角を担う俺が、よくもまああんなことをつらつらと云えたもんだぜ
夜中を取り仕切ってる俺が、どう考えたって危なくねえ筈ねえだろうが
そりゃ彼奴には優しく以外するつもりはない、惚れた女だから__だが
彼奴に変な手を出す奴が居たら、その時は其奴をどうしちまうか判らねえくらい惚れてんだ
「敵は雑魚ばっかりか?」
「戦闘系の異能持ちが何人か居るみたいっすね」
「面倒くせえな、一気に終わらせっからそのつもりでいろ」
「うす!」
___ " 俺には彼奴に、秘密してることがあった "
彼奴に絶対知られたくないこと、知られてしまえば恐らく俺は彼奴に嫌われてしまうだろうようなこと
俺を優しい人だと彼奴は云う
そう信じてやまないそんな彼奴が、俺がマフィアの男だって知ったら?
「こっから車なんすけど、中也さん何か飲みもん買って来ましょうか?」
「否、良い、
けどよ、期待しちまうだろ
『お隣さん』にしちゃ随分と仲良くなれた、お互い会えば声を掛けるし、色んな話に花を咲かせて楽しむこともあるし
でも、だからって
好きだと口走っただけの俺に、マフィンを手作りなんざ普通するかよ
気立ては良いが、それでいて何処かふわふわしてる彼奴のことだから、俺が喜ぶと判ってて云ってるんじゃないのだろうが
そしたら後に残るのは、淡い期待だけで
くそ、駄目だこりゃ
マフィアだとか秘密だとか、そんなしがらみを吹っ飛ばすくらい気持ちに抑えが効かなくなるのも
_____どうやら、時間の問題らしい
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楓(プロフ) - 完結おめでとうございます!鼻血が出過ぎてぶっ倒れる所でした(笑) 推し尊い…… (2019年4月3日 0時) (レス) id: 381002261f (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 完結おめでとうございます!キュンキュンが止まりませんでした。ありがとうございます! (2019年4月2日 16時) (レス) id: 4d7fcc5e30 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 完結おめでとうございます。いいお話でした。 (2019年4月2日 15時) (レス) id: 1bfa3e637e (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 更新されてる?( ☆∀☆) (2019年2月9日 10時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - あぁ、、、推し(中也)が尊い、、、 (2019年2月9日 9時) (レス) id: c6be9b3184 (このIDを非表示/違反報告)
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