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今日の空の青は少し薄くて、ところどころそれを隠す雲はふんわり白い

特有の澄んだ空気とまだ色のない陽の光

部屋を出たそこは、いつもと何ら変わりない一日の始まりだった

____数分前までは





今日も今日とて、例の合鍵を使って、太宰さんを起こしに隣の部屋を訪ねた

そして、いつものように、そっと寝床を伺って



「太宰さん、朝ですよ」



まずは一声、掛けてみた

____その瞬間

眠っていた筈の太宰さんの腕が、布団のそばに座り込む私の腰にぐっと回されて

抱き着かれた後に、ぼそりと




「……、今日は起きたくない」




幼子が甘えるような、弱々しい声

まるで空を漂う雨の源のように、みるみるうちに私の胸をもやが大きく覆って

思わずハッと息を飲みそうになった




「……何か、悪い夢でも見たんですか?」




その手を振り解くことなく、依然目を閉じたままの太宰さんを受け入れて

優しい声遣いを意識して問うと




「……悪くはなかったよ、良い夢だった」




それだけ云って、太宰さんはまだ黙り込んでしまったけれど、言外の意味が心に訴えてくるような気がした

___ " だからこそ辛いのだ " と


お腹辺りに突っ伏されているために、太宰さんの表情は見えなくて、想像が勝手に胸を締め付ける




「___なら、今日は休んでて良いですよ」




それは、本当に無意識だった

私の発した言葉は太宰さんの肩を微かに震わせる




「国木田さんには、私が何とか上手く云っておきますから、太宰さんはゆっくりしてて下さい」




上手く云える自信なんてない

私の口にしてることは、太宰さんのサボりを助長するものだってこともよく判ってる

それでも私は、太宰さんに



「…………君は」

「……え?」

「Aちゃんは仕事に向かうのかい?」




不意に、太宰さんからの問い掛け

太宰さんのこもった声が、耳というより心の奥に余韻深く響いた

そんなことを聞くのは二人で一緒にここに居ようってことなのだろうか



「私は、……行きます」



少し迷った、けれどすぐに答えを出す




「だって、太宰さんの分の仕事を、誰かが手伝わなきゃいけないですし__ 」

「なら私も行く」




え、とまた声が漏れた

即答気味に云った太宰さんは、ゆらりと起き上がり子供のように目を擦る

太宰さん、大丈夫ですか?

何がとまでは聞かずにそう声を掛ければ、太宰さんは薄く笑って頷いた



「ちょっと、昔の夢を見ただけだから」



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カズハ(プロフ) - 太宰さんの言葉選びが最高すぎてキュンキュンしました!!ありがとうございます!! (8月7日 3時) (レス) @page50 id: a9129a72cb (このIDを非表示/違反報告)
カカオ - すみません。「 やきもち日和」のパスワードは何ですか? (2018年6月8日 0時) (レス) id: bcda3478dd (このIDを非表示/違反報告)
神羅°(閲覧専用)(プロフ) - 最高です!!太宰さんがかっこよすぎてキュンキュンしちゃいました(歓喜)ありがとうございますw (2018年3月18日 1時) (レス) id: 7fad23618c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 太宰さんかっこよすぎて、キュンが止まりませんでした!完結おめでとうございます! (2018年3月4日 1時) (レス) id: fe3c394919 (このIDを非表示/違反報告)
サッピー(プロフ) - この話最高でした!もう一途な太宰さん最高!ついつい顔がにやけてしまいました!完結おめでとうございます!! (2018年2月16日 12時) (レス) id: d2c3ca49e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:どんぐり | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年8月16日 17時

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