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「国木田くんが倒れちゃったけどね」



どうやら、太宰さんは本当に、今まで溜めに溜めていた仕事をすっかり片付けてきたらしかった

そんなこんなで私を迎えに来て、そして私を連れて訪れたのは



「こ、ここですか……?」



見るからに気品に溢れる食事屋さん

豪華絢爛な造りの建物、辺りを舞う馨しい香り、行き交う人々の育ちの良さげな身なり

所謂、高級食事処(レストラン)だった




「わ、私……こんなところ……」



一歩、足を後ろに引いた

不釣り合い、そう思ったから

目に入る人たちはみんな綺麗で、エスコートやレディーとしての振る舞いに慣れた女性ばかりで、きっと私なんか場違いだ

けれど二歩目は、背中に添えられた太宰さんの手にそっと止められた




「自信を持って、Aちゃんは花より綺麗なんだから」




真っ直ぐ見つめられて、そんな台詞

花よりなんて太宰さんらしい

気障だと笑ってみても、この嬉しさはどうやら誤魔化せないみたいだ




「それに大丈夫、テーブルマナーなら私がちゃんと教えてあげる」



私の不安をピンポイントですくい上げてくれる太宰さんに、自然と顔が上がって目線が向けば

私を見つめる太宰さんのとぱっちり鉢合わせて



「これでも前職では幹部なんてやってたからね」



細められる、洗練された瞳

妖しさと愁いを含む微笑みや、彼が時折にしか見せない一面に、胸が疼くような感覚がした

きっとこれは、マフィア時分の彼の顔




「ぜ、前職や過去については、あまり、触れられたくないのか、と……」




思わず、ありのまま口に出していた

そんな私に太宰さんは、真摯に耳を傾けてくれて

私の語尾が消え入ってしまうと、ふわり、太宰さんの笑みの中へ惹き込まれた




「君になら良い、って思うようになってね、少しずつ私のことを知って欲しい」

「そう、ですか……」

「そしてあわよくば、私の全部を好きになってもらいたい」

「…………」




打って変わって落とされる、優しい表情

本当に彼は、色んな顔を持っている

本当に全部知りたいなんて、願ってしまう

どぎまぎしながら相槌を打てば、太宰さんはにっこり笑って大きく頷いた



「手料理のお礼だよ……お洒落な店だろう、君のために探したんだ」



そりゃあこういうのは、何度か夢に見たけれど

太宰さんが見せてくれた夢だからこそ、こんなにも満たされた気持ちになるんだ、って

そう告げたなら、太宰さんはどんな顔をするだろう




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カズハ(プロフ) - 太宰さんの言葉選びが最高すぎてキュンキュンしました!!ありがとうございます!! (8月7日 3時) (レス) @page50 id: a9129a72cb (このIDを非表示/違反報告)
カカオ - すみません。「 やきもち日和」のパスワードは何ですか? (2018年6月8日 0時) (レス) id: bcda3478dd (このIDを非表示/違反報告)
神羅°(閲覧専用)(プロフ) - 最高です!!太宰さんがかっこよすぎてキュンキュンしちゃいました(歓喜)ありがとうございますw (2018年3月18日 1時) (レス) id: 7fad23618c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 太宰さんかっこよすぎて、キュンが止まりませんでした!完結おめでとうございます! (2018年3月4日 1時) (レス) id: fe3c394919 (このIDを非表示/違反報告)
サッピー(プロフ) - この話最高でした!もう一途な太宰さん最高!ついつい顔がにやけてしまいました!完結おめでとうございます!! (2018年2月16日 12時) (レス) id: d2c3ca49e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:どんぐり | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年8月16日 17時

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