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ガンッという音と衝撃と共に
即座に閉じようとした扉は、滑り込まされた太宰さんの足によって、望み通りにはいかなかった
隙間に覗くのは、やはり例の砂色の外套で
ねえ、と、静かな呼び掛けの後、私が答えようが答えまいが関係なさげに、その声はすぐ続きを紡いだ
「足、痛いのだけど」
卑怯ですよ、そんなの
何で、今日に限って、どうしてこのタイミングで
もう訳が判らなくってただドキドキ煩くて、この扉を素直に開けたら、そしたらどうなるのか
選択肢を奪われた私には、本当に判らない
「Aちゃん、おはよう」
そっと手を放した扉は、まるで一人でに、すんなりと再び開いた
わざとらしく投げ掛けられる、朝の挨拶
「な、何か用ですか」
挨拶を返す余裕なんてないから、目を大きく逸らして下を向いた
一方、足を解放されてなお、立ち去る気も見せないどころか扉をしっかり開け放すのは、太宰さんの手
「いやね、ちょうど回覧板を届けに来たのだけど、君が私を見るなり家の中へ逃げ出すものだから」
＿＿＿ " 何だか逃がしたくなくなってね "
逃げたから、追う、捕まえる
見事に捕らわれた私は、ただただ太宰さんを前に困り果てる、なんて予想通りの構図だった
抱えきれない情動を何とか紛らわせるために、渡された回覧板を握り締める
「Aちゃん、大丈夫？」
「何が、ですか」
「熱でもあるんじゃない？」
「な、んで、」
「＿＿＿顔、真っ赤」
額に人肌の感触がした
大きな太宰さんの手が私の額を優しく触れて、ついでに髪やら耳やら撫でたりして
終いには、こつんと
互いの額同士を傾け合わされた
視界を埋め尽くすその顔、笑み、瞳は確信犯だ
「だ、誰の所為だと」
云いかけて、ハッとする
咄嗟に口を手で覆ってまた目を伏せても、手遅れだなんてのは判っているけど
「……それは期待しても良いのかい？」
こんな私に、期待だなんて
振り回されてるのはどう考えたって、追い掛けられてる立場の筈なのに、こんなにも余裕のない私の方
「は、早く仕事行って下さい」
「今の君を見て私が素直に従うと思う？」
「国木田さんが怒りますよ！」
「ふふ、いつものことだよ」
それはそうなのだけど
清々しい笑顔で返す太宰さんは、私からちっとも視線を外さない
と、堪らず声にならない声で唸る私に、と或る提案が降り掛かった
「じゃあ、ご褒美でもくれるかい？」
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カズハ(プロフ) - 太宰さんの言葉選びが最高すぎてキュンキュンしました！！ありがとうございます！！ (8月7日 3時) (
レス) @page50 id: a9129a72cb (このIDを非表示/違反報告)
カカオ - すみません。「 やきもち日和」のパスワードは何ですか？ (2018年6月8日 0時) (レス) id: bcda3478dd (このIDを非表示/違反報告)
神羅°(閲覧専用)(プロフ) - 最高です！！太宰さんがかっこよすぎてキュンキュンしちゃいました(歓喜)ありがとうございますｗ (2018年3月18日 1時) (レス) id: 7fad23618c (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 太宰さんかっこよすぎて、キュンが止まりませんでした！完結おめでとうございます！ (2018年3月4日 1時) (レス) id: fe3c394919 (このIDを非表示/違反報告)
サッピー(プロフ) - この話最高でした！もう一途な太宰さん最高！ついつい顔がにやけてしまいました！完結おめでとうございます！！ (2018年2月16日 12時) (レス) id: d2c3ca49e1 (このIDを非表示/違反報告)
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