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「ナカハラ君、ちょっと」
「どちらをお呼びですか?」
「やあ、ごめんよ
今のは二人まとめて呼んだつもりさ」
「………」
*
「さて、仲原A君」
呼ばれたフルネーム
胸がどきりと、背筋がしゃんとする、そんな私のすぐ横には例の如く帽子の幹部サマ
「君には今から、マフィアへの忠誠を誓う印として契約書を書いてもらうよ」
機嫌の良い笑みの首領が、私の前に一枚、契約書なる書類とやらを差し出してきた
それを私はまず、まじまじと覗き込んでみる
「中也君にも手伝ってもらって、今ここで書き上げてくれ給え」
と、目に飛び込んだのは " 婚 姻 届 " の三文字で
「首領、これって」
五度見しても見間違いではないらしいそれ
いつか初めて出会ったあの日のように、私と中也が見合わせた顔を首領へと向ければ
「ああ、証人には私がなろう」
思っていたよりも、遥かに、我らが首領はちゃっかりなさっているようだった
「考え直すなら今のうちだぜ?」
「それは中也の方でしょ」
これからは正真正銘、お揃いの姓を名乗るんだから
*
これって運命? それとも偶然?
ここ最近、何度もそんなことを思った
ナカハラって苗字のこととか
実はお互い一目惚れだったこととか
「とりあえず、出会いは最悪だったよね」
「俺としちゃ良い思い出だけどな」
何が幸せを運んで来るのかなんて
後になってみなきゃ判んない
人々はきっと
幸せな偶然を運命と呼ぶんだろう
― fin. ―
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ライム - めっちゃ最高でした!!中也かっこよすぎてつらいです!こんな最高の作品を生み出してくださってありがとうございます!!!! (2022年12月26日 17時) (レス) @page43 id: e7904a37c4 (このIDを非表示/違反報告)
なかはらあお(プロフ) - はじめまして、作品見させていただきました。お話の構成も内容もとても素晴らしく感動しかありません、どんぐり様のこれからのご活躍心より期待しております。長文失礼致しました。 (2018年4月22日 10時) (レス) id: a71351843d (このIDを非表示/違反報告)
藍音 - 凄く面白かったです!私の名字もナカハラがよかった... (2018年2月7日 0時) (レス) id: a82b5889f9 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 完結おめでとうございます!!きゅんきゅんしました…! (2018年2月1日 22時) (レス) id: c5a450a737 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - こんな時間に一気に読んでしまいました〜。眠たいのにドキドキが止まらなくて寝付けそうにありません!!(>_<) (2018年2月1日 2時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
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