異能力 ページ37
敦side
バタンと音がして目を開ける。
目を開けた先には居るはずのAちゃんが居なくて、家の中を探した。
けれど、どこにも居なくて、Aちゃんのパジャマが落ちていた。
慌てて私服に着替えて家を出た。
Aちゃんの足ならまだそう遠くへは行けない筈だと考えて家の近くを走り回った。
暫く走り回っていると誰かの悲鳴が聞こえた。
急いで悲鳴の元へと走り出す。
そこで僕が見たのは信じられないものだった。
刃物を持った男がAちゃんに刺されていた。
Aちゃんは刺身包丁の様に長い刃物を持っていて、そして、目には光がなく一切の感情が入っていない。無表情だった。
その冷たい瞳に僕はゾッとした。
思わず後ずさる。
ザッ
と、砂と靴の擦れる音がした。
その音は誰も居ないシンと静まり返ったこの空間に響くには十分だった。
Aちゃんは持っていた花を投げた。そして何かを呟く。
すると、Aちゃんの周りに異能を使うときに現れる文字の羅列が現れた。その花は真っ黒いブラックホールのようなものへと変わる。
其処に刃物を投げ込むと、刃物は穴に入った後、消えた。そして其の穴も消えた。
穴が消えると同時にAちゃんは倒れた。
急いで近づくと、どうやら気絶しているだけのようだった。
タッタッタッタッ
と、先刻の悲鳴を聞きつけてか誰かが近づく音が聞こえて急いでAちゃんを担いでその場を離れた。
そして、すぐに探偵社へと向かった。
後ろから見に来たであろう人の悲鳴が聞こえてきたが気にせず走った。
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みさき(プロフ) - 面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年7月9日 23時) (レス) id: 071d00f0ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀花 | 作成日時:2019年6月14日 21時