82話 狂犬と謎解き ページ34
千空 side
千空｢お前、あの時なんであんなこと言ったんだ｣
『……は？』
やっと狂犬と目が合った
相変わらずの静かな瞳で
訳が分からないと言わんばかりに
千空｢あの時お前、言ったよな｣
"『心配すんなら俺よりコイツだ。骨折れてるかもしれねェし、何より出血量が多い』"
そう、確かに言った
クロムの心配を押しのけて
ゲンを地面に下ろす時に
千空｢何で出血量が多いなんて言ったんだ？｣
『………』
ゲン｢え〜っと、千空ちゃん？何のこと言ってんのかさっぱり分かんないけどね？
殴られた後だし、俺多分その時血だらけだったと思うから、そう言うのは当然なんじゃ……｣
千空｢あぁそうだ。そう言うのが普通だろうな。
＿＿＿＿＿＿コイツ以外は｣
ゲン｢え？｣
ゲンがAの方を向くのを横目に
俺はまた口を開く
千空｢結果的にその血は、予め用意してあった血糊袋のだ。どうせワインか何かで作ったんだろ｣
ゲン｢え？あぁ、まぁ……でも、それが一体……？｣
千空｢コイツは気づけたんだよ。コイツだけが、俺らがまだ血糊袋の存在を認識していない時に気づいたんだ。その血が、
ゲン｢えぇっと〜……どして？｣
千空｢"匂い"だよ。血の匂いとワインの匂いとじゃあ全然違う。
コイツの嗅覚がどれくらいなのかは知らねぇが、少なくとも人間の匂いを嗅ぎ分けられるくらいなら気づけるはずだろ｣
ゲン｢え、何この子嗅覚鋭いの？人の匂い嗅ぎ分けられるってどういうこと？？バグってないそれ？？？｣
メンタリストはこれでもかと
語尾にクエスチョンマークを付けまくる
コイツ知らなかったのか
『……あーそうだよ。俺はあの時確かに気づいてた』
Aの諦めたような、
ほとんど投げやりな声に
メンタリストも俺もそっちを向く
『気付かれないと思ってたのに、全部バレるじゃんか』
どうやら不貞腐れているらしい
口を尖らせている様子は
どこか子供っぽかった
ゲン｢でも、何でじゃあ出血量が多いなんて言ったの？その時には既に気付いてたんだよね｣
とそこで、ようやく先程の疑問に行き着く
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 369人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨迷(プロフ) - この作品大好きです！これからも応援してます！ (2022年5月14日 12時) (
レス) id: 78a4c6a909 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 教えて頂きありがとうございます！そういう事だったんですね…早く読めるの楽しみにしています。 (2022年5月13日 20時) (レス) id: a78013dc1d (このIDを非表示/違反報告)
脅威のセラフ@wrwrdファン(プロフ) - 桜花さん» おそらく、下書きをしてそれを非公開として保存しているのだと思いますよ♪ (2022年5月13日 20時) (レス) id: 602d714d2e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - [更新されました]ってなってて、物凄く読みたいのに見れないのってWi-Fiとかが悪いからなんですかね…。ホントいつもいつも「いつ更新されるかなー」ってとても楽しみにしているんですけど…なんか知っている事があったら教えて欲しいです。 (2022年5月13日 20時) (レス) id: a78013dc1d (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 狂犬君が一体過去に何をしたのかめめめめちゃんこ気になる〜！！ (2022年5月2日 1時) (レス) @page9 id: 9db3f9f6b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨宮夜空 x他1人 | 作成日時：2022年4月22日 19時
