初恋波浪警報【笠松幸男】

Unrequited love..10 ページ10

「……そういえばさ」


「ん？」





少しの沈黙のあと森山に呼びかけられ手を止める。



森山を見ると、森山は涼しい顔で作業をしているので私も手を動かした。





「黄瀬が、川崎のことAっち先輩ってよんでるけど」


「ああ、昨日なんかなりゆきで？」




ってか、黄瀬くん私の話をしたってことだよね…。




「気に入られてるみたいだな」


「はい？」




気に入られてるの？私が？誰に？


……黄瀬くんに？




「そっ、そんなわけないじゃん！

昨日初めて会ったばっかだよ！？」




そんなことあるはずないけど…もしかしたら……って、期待はしない！どうせ冗談だよね！





.





.





.





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「よし、終わった。」


「ふぅ、疲れたー」




これをまた職員室に持っていかなきゃいけないんだよね…ほんと人使い荒い先生だな。




「川崎はやく」


「あ、うん！」




いつのまにか廊下にいる森山を見れば、まとめたプリントを全部持っていた。



そんなに重いわけじゃないだろうけど、量は結構あるし森山だけに持たせるわけにはいかない。




「持つよ」


「いい、お前どんくさいし」



……これ、暴言なかったらかっこいいなぁとか思ったのに。

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