初恋波浪警報【笠松幸男】

Unrequited love..23 ページ23

( 笠松side )




「あ、笠松おはよ！」



教室へ入ると、あいつは笑顔で俺に話しかけた。



黄瀬のことは大丈夫か…なんて聞いていいのか？

どうしようか迷ったけど、昨日はごめんねとやっぱり笑顔で謝る川崎を見て、聞くのはやめることにした。



その代わりに、川崎の頭を優しくなでた。




そのあとに席につくと、仲のいいやつらが俺のところに集まってきた。





「おい笠松、あれなんだよ！？」


「もしかして、川崎のこと…」



「好きじゃねぇよ」




自分に言い聞かせるように言った。



俺が恋なんてするわけない。
俺は女子が苦手で…川崎も女子だ。




「それにしても、珍しいな」


「まあ、川崎だしな」




川崎だしってなんだよ。


言い返しそうになったのをぐっとこらえた。





.





「笠松ー森山が呼んでるぞ」




森山が俺のクラスに来るなんて珍しいな、部活の連絡か？





「なんだよ」



廊下へ出ると、森山が窓のところに立っていた。





「俺はあいつが好きだ」


「は？」


「笠松は？」




唐突に言われた質問、あいつが誰かなんてきかなくてもわかる。





「ただのクラスメイトだ」





.






.






「じゃあ遠慮なくもらうからな。

放課後告白するよ、じゃあな」


「………勝手にしろ」




俺には関係ない。

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