【銀魂】犬のおまわりさん

8 ページ9

随分とまた、面倒くさいことが起こった




夜の見廻りで女を拾っちまうとは…




流血している状態のまま放っておくわけにもいかず


屯所まで運んできた




しかしこうも身元が分からないとはな……



最初はただ言いたくないって


家出してきただけかと思っていた




まァ、手拭いに名前らしきものが縫われていたんなら


藁にもすがる思いでそれを頼るしかねェ





唯でさえ"黒猫"の活動が目立ってきた時期に



コイツの事も調べなきゃいけないなんて運が悪い







『沖田さん……』




か細い声で、Aに名前を呼ばれる





『よろしくお願いします…』





犬のおまわりさんとは


こんな感じなのだろうか





『取り敢えずお前を見つけたあの付近でA、って名前を知ってるか聞いてくる』





ザキ、行くぞ




『あ、はい！！』




ゆっくり休んでね、と声をかけたザキに


Aは小さく頷いた








見つけた場所は歌舞伎町





『……まずはケーキ屋だな』




『何言ってるんですか！


寄り道なんてしませんよ！』




うるさいザキを無視して



俺はケーキ屋へと足を運んだ

9→←7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す