第199話ですよー ページ11
射るやら斬るやらして敵兵をどんどん削っていく。もちろん、動けないけど命は助かるレベルの負傷にとどまらせてるけど。知りたいことは山ほどあるんだ。易々と死なせてやるつもりは毛頭ない。
そうそう。近くなってきたヘリは、どうやら列車の進行方向へ向かっているらしい。
___この先って何あったっけ。
武州に列車で行く場合は爆睡だし、大体の道はボーッとしながら通ってるから、地理関連はぱっと出てこない。
あんぽんたんの自分を恨む。今更とか思ったやつ、今なら4分の3ゴロシで許してやる。
「...遅せェんだよ!!」
斬った誰かがそう言った。その声の主は、地に伏し血が流れる腕を手のひらで固く掴んでいる。
「この先は橋だ!!そこまで頭がまわんなかったんだな...」
野蛮な集団だかなんだか悪口が聞こえた気はするけど、生憎構っちゃいられない。最後まで聞かずに菊花の腹を強く圧迫した。
そうだ、橋だ。
あそこは谷底までが深い。道中で上手くいかなくても、はたまた上手くいっても...真選組を丸ごと潰そうとするやつは、その列車さえ落とせばいいのだ。
近藤さんも、伊東さんも、二人ともいなくなる末路が目に見える。
筋肉質な身体をめいっぱい使って走ってくれる菊花の脚も追いつかず。
1キロ程先の橋は、列車を前に爆発した。
ヒュッと息を呑む。
列車は、完全に落ちてはいないものの、あと少し、バランスを崩したら真っ逆さまだろう。
バラバラと空気を揺るがす騒音。
...ったく。焦る暇すら与えてくれないのか。
手網から手を離し、贈り物の矢をつがえる。
でっかいマシンガンでもつんでるんだろうな、と思いながら弓を引く。
目視できるガラス部分が、此方を向いた瞬間。
手を離した。
空気を劈くようにして、その矢は進む。
撃ち始めたマシンガンもそこそこに、矢が命中したヘリは、重力に従って落下した。
もう一機のヘリは、土方が...土方さんが、プロペラを機体から斬り離し、無力化。
刀、抜けたんだね。
土方さん、帰ってきたんだね。
崖の前で馬を止め、車内から声がすることを確認する。よし、皆生きてんね。
それじゃあ私は、
線路の反対側の、明らかに他とは違う空気を持った戦場に行こうか。
所属しちまったモンは、仕方がねェ。伊東さんだって、真選組なんだ。“仲間”を誑かしてくれたお礼を、きっちりしないとね。
550人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
練紅龍(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 見事に私のやる気を叩き起こしておられます。ありがとうございます!沖田さん……沖田サァン……ご期待にそえるよう精進します! (6月7日 17時) (レス) @page28 id: 0cf84c7016 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 感想を毎回、すみません。あれ?オチは沖田さん?と考えが変わったところで次。原作沿いみたいなので、続き楽しみに読まさせていただきます。 (6月7日 11時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 和泉梓さん» ありがとうございます...時間作ってちょっとずつ、進めていきたいです...ありがとうございます...! (2020年6月13日 13時) (レス) id: 817163acd5 (このIDを非表示/違反報告)
和泉梓 - 更新待ってます!頑張ってください! (2020年6月5日 11時) (レス) id: 451b0d7f40 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます!ぼちぼち頑張っていこうと思いま...頑張っていきます...! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ