第180話ですよー ページ30
これが、本心か?これが?
今はまだ味方集め、きっと、そうだ。
故にハッキリとした目的は明かさず、それとなく匂わせる。
最大の疑問は、その殺意はどこへ向けてのものなのか。
私ではなかった。それよりも先を、大きなものを見据えている。
嫌な音をたてる心臓を抑え込むように、腕を組んだ。
あ「...向上心があるのはとてもいい事だと思いますが...私は今の真選組が好きなので、今を変えたい、という欲望は強くありません。ただ、市民を守れていればそれでいいかと」
伊東「...そうか。君は喜んで乗ってくると思ったんだがね」
あ「まあ、今溜まっている仕事が片付いてから再考してみます」
伊東「是非そうしてくれ」
私を読み取ろうとする目線を笑顔で受け止める。
伊東さんは口元にだけ笑みを浮かべた。それがまた、何を考えているのかわからなくする。
伊東「それじゃ、僕は失礼させてもらうよ」
あ「はい、ありがとうございました」
踵を返した伊東さんは道場を出ていった。
...ぎゅう、と胸元を掴む。
あの人は、何をしようとしているのだろうか。
まだ心臓は嫌に響いている。
鎮めるように、ゆっくりと深呼吸。頭も少しはクリアになったかも。
あ「...あれ...」
話に出てきたのは私と土方さんと...そして総悟。
今度は、総悟へ話をしに行くのではないだろうか。
...アイツのことだから私よりも探り合いは得意なんだろうけど...
白龍を腰につけ直す。向かうは総悟の部屋。
...だって、やっぱり、心配なんだ。
*
あ「...総悟」
沖田「...なんでィ、差し入れか?」
襖を開けると、高く積まれた始末書の山を前に大の字に寝転がる総悟。
あ「...全然進んでないじゃん」
沖田「10枚は土方死ねで埋めた」
あ「お疲れ」
よくゲシュタルト崩壊しなかったね。恨みのこもってそうな字が連なる紙を手に取る...じゃなくて。
あ「...総悟は、私から離れないよね」
沖田「...あ?何言ってんでィ」
ムクリと身体を起こした総悟。
あ「近藤さんからも、離れないよね」
沖田「何でンな当たり前の事聞いてんだ」
怪訝そうだけど、何時もの顔。見慣れた顔。
あ「...ううん、ならいい」
沖田「...そうかィ」
...うん、バクバクしてた心臓も、鳥肌も、元通りになった。
確証ないから全部話せないけど、総悟のそれ聞いて安心したんだと思う。
ありがとう。
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練紅龍(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» こんにちは。幼馴染たちと新参者たち(敵)どいつもこいつも腐れ縁やら因縁やらでつながれてます。ちゃんとそこまで書けるよう頑張ります……! (6月7日 17時) (レス) @page17 id: 0cf84c7016 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんばんは。んー、武州組は兄弟って感じだからオチは高杉さんかカムイなのかな?なんて、また次を楽しみに今日は終わります。 (6月7日 2時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 焦凍さん» ありがとうございます!励みになります...遅筆ですが頑張ります! (2021年10月11日 8時) (レス) id: 817163acd5 (このIDを非表示/違反報告)
焦凍 - めちゃくちゃ面白かったです!続きも楽しみにしています!! (2021年8月21日 2時) (レス) id: 427116d3c5 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - みくるさん» やーありがとうございますー!コメントが燃料補給です...w今から書きますd (2019年2月7日 20時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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