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撮影が始まると、さっきの仏頂面が嘘みたいに、弾けるようなアイドルスマイルがどんどん写真に収められていく。
私たちは、スタジオの端っこで見学。
……こういう撮影は、ほとんど見たことがない。
まあ、経験も現場も浅いし、地下アイドルは雑誌に出ても、こんな撮影はしなかった。
……やっぱり、嵐ってすごいんだ……
そう思った瞬間に、突然寒気がしてきた。
私、本当に何も知らないけど、大丈夫なのかな。
……いや、大丈夫なわけない。
こっちから5人のことを知ろうとしないで、どうして私なんかに興味を持ってもらえるんだろう。
「……小松さん」
「どうかしましたか？」
「あの……嵐の、番組やコンサートのDVDとか、CDとかを、見てみたいんです。仕事のうえでも、そういった知識は前提としてあるわけですし。ですから、あの……」
私が言い終わる前に、小松さんが遮った。
「わかりました。用意します。……嵐も、自分たちのことを知ってほしいはずですからね」
「ありがとうございます……！」
ニコッ、と笑って、頷く小松さん。
……だけど、ふと気がつく。
この仕事って、私が嵐のことを知らないから任されたわけで。
嵐のことを知ってしまったら、その印象が邪魔をして、気づくべき変化に気が付けなくなるんじゃ……？
……でも、もらうだけもらっておこう。
いつか、慣れてきてから見ればいい。
私は、現状を見て、疑問に思ったことを事務所に報告するまでだ。
過去を知るのは、あとにしよう。
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その後も、撮影は順調に進み、インタビューを受けてから、時間通りに終わった。
「おつかれっしたー」
控え室に戻ると、もう、大野さんが出ていくところだった。
あまりにも早すぎる退出に、思わず声をかけずにはいられなかった。
「大野さん」
ゆっくりと私の方へ振り返って、鋭い視線を向ける。
……撮影の時は、あんなに柔らかな表情だったのに、今は氷みたいに冷たい。
「……あの、今日から、新しくアシスタントマネージャーをさせていただきます、Aと申します。よろしくお願いします」
勢いに任せて挨拶をする。ぺこりと下げた頭を、恐る恐る上げると、光のない眼が私を見ていた。
「……ふーん、まあ頑張って」
……それだけ言って、またふらっと背中を向け、出口の方へ歩いていった。
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なの(プロフ) - なるちゃんさん» ありがとうございます！！移行しましたので、そちらでもよろしくお願いします〜！！ (2018年10月15日 20時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - 続きが気になる〜〜！更新待ってます！ (2018年10月15日 15時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - キル・ハーヴェイさん» 嬉しいコメント、本当にありがとうございます！これからも応援よろしくお願いします！ (2018年10月4日 18時) (レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
キル・ハーヴェイ - 凄く面白いです！引き込まれてしまいました^^更新、頑張って下さい！ (2018年10月3日 21時) (レス) id: ae1f844f76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2018年8月31日 0時
