静かな夜 ページ14
杏「……………、」
Aが戻ってきた。俺のところに。煉獄家に。それが何より嬉しかった。さらに嬉しかったのは、Aの成長だ。
俺が教えるのを忘れていたとは言え、柱のみんなに支えられながら強くなった。
本当に成長したと思う。未だに鮮明によみがえる。Aが始めて竹刀を持った時のことを。あの時はまだ顔立ちも幼く、少女だった。握りは弱く、竹刀を持つ手が震えていた。
そしてあれから月日が経ち、最終選別に行った時は涙が出そうだった。あんなにもか弱かった少女が、鬼を滅し、鬼殺隊に入り、俺と同じ道を歩むという。
喜ばしい反面、複雑でもあった。Aは鬼なんて知らずに、幸せに生きてほしいと。
そう、願わずにはいられない。だが、俺のミスで、その幸せを断ち切ったのだ。俺がもう少し早ければ、Aを一人にしなくて済んだのに、と。後悔ばかりだ。
カタン、
杏「…………Aか?」
『あ、えと、すみません。厠に行ってたもので。師匠は………』
杏「俺は眠れなくてな。今度の任務のことを考えていた」
『任務、ですか?』
音のした方をみるとAがいた。俺はAに隣に座るよう促す。Aは戸惑いながらも俺の隣に座った。
なんとも、愛しい。
………、俺は、何を考えている。自分の弟子なのに。
『任務、いつ行くのですか?』
杏「明日だ」
明日……、とAは小さく呟く。任務内容は、無限列車で被害が拡大した。数名の隊士を送り込んだが皆行方不明となっている。それでお館様は柱である俺を向かわせるのだ。
『それでしたら、私も……』
杏「Aは明日から不死川のところだろ。俺は大丈夫だ」
そう。Aは明日から１週間泊まり込みで不死川との稽古だ。昼、不死川がやって来た。どうやらAは風の呼吸の適正がある、と。風の呼吸を教えこむため、明日から１週間、貸してほしいと言ってきた。
嬉しいことだ。Aがどんどん強くなる。いつか俺をも超える柱になるだろう。
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melody(プロフ) - 読まさせてもらいました。最近になって鬼滅にどっぷりハマり、この小説にたどり着きました。泣けました。また楽しみにしてます！ (2022年2月3日 21時) (
レス) @page44 id: 648912d438 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - A・O・Iさん» ありがとうございます!外伝楽しみにしててください! (2020年11月26日 19時) (レス) id: 59276ba5d1 (このIDを非表示/違反報告)
A・O・I(プロフ) - まさかの結果でした…！でも、すごく感動しましたので、外伝楽しみにしてます！ (2020年11月26日 19時) (レス) id: 169be6aa08 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 分かりました。残念です。 (2020年11月12日 10時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - シルバーウルフさん» すみません。この前の合作の話、私には向いてないな、と思って辞退させていただきます。ホントにすみません。 (2020年11月12日 7時) (レス) id: edbecdde53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななこ
| 作成日時：2020年11月10日 20時
