ﾀﾋにたくないのに何故か闇AUで働いて光AUで働くモブな私は今日もサンズさん達に追いかけられる日々を過ごしている〈6〉〔undertale〕

285:可愛いあの子は ページ35

A side




シューシューと音を立ててお湯が沸騰したのを確認してから、
私は火を止めてコーヒー豆の袋を開けた。


ーーーｶﾁｬｯｶﾁｬｯーーー



...ガスターが居ないとこうも静かなんだな。

辺りには私がコーヒーの支度をする音だけが響いている。


...こういう時間は好きだけど、
冷静になればなるほど、
帰れなくなってしまったんじゃないかと言う
想像が頭を過り、胸をザワつかせる。


...ドリーム達心配してるだろうな。

初日にこんな事になってしまったら、
私の世界なら今頃会社で
初日から無断欠勤かと大騒ぎだろう。

あれやこれやと考えている内にコーヒーを淹れ終えた私は、
カップ3っをトレーに乗せてテーブルに向かった。


...最悪気持ちを切り替えていくしかない。

幸いリーパー達は優しい死神様だ
頼めば居候させてくれるかもしれない、
居候する前に結婚しそうになったけど。


『お待たせしました、リーパーさんには
濃いめのコーヒーです。
濃すぎたりしたら言って下さいね』


リーパー「...今日は色々あって疲れたから
濃い方がいい。」


パピルス「ありがとうな！
Aもビスケット食べろ！」ﾆｶｯ


『ﾌﾌｯ、はい、頂きます。』ﾆｺｯ


ビスケットを既に何枚か食べているのだろう、
パピルスの口の回りには
ビスケットの粉が付いている。



もう、可愛いんだから...

...昔弟もよくクッキーの粉付けてたなぁ、
チョコチップクッキーの時なんか
チョコの部分が口に引っ付いてて、
それが弟のシャツに落ちて、
溶けて染みになってたのを思い出すよ。

...あれ落ちないんだよなぁ


パピルス「??どうしたんだA？」ｺﾃﾝ


『ジッとしてて。』ｽｯ


パピルス「!?」


私は無意識に口の回りに付いたビスケットの粉を
ハンカチで拭いてあげた。


『...あ、
ごめんなさい弟の事を思い出してつい!』ﾊﾟｯ


パピルス「...」ｶﾁｰﾝ


『怒りましたか?』


リーパー「.....」


『...えっと』ｵﾛｵﾛ


パピルス「...お、俺様....

今...凄くドキドキしたぞ!!
これは本で読んだ事ある！これが恋だな!?」ﾊﾟｱｯ


『あの多分恥ずかしかっただけだと思います』


パピルス「いや違う！これが恋だ！
俺様はとうとう恋する乙女になったんだ!」ｷﾗｷﾗ


『なったの乙女なんだ...

もうこの子ｶﾜｲｲﾄﾞｳｼﾖｳ..』ﾎﾞｿｯ



リーパー「....はあ」ため息



死神なのに可愛いのはズルいよパピルス...

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