桃園家

結婚生活9日目 ページ11

ふわりといい香りがする


此処は観光スポットのお店が並んでいるところだ。


さすが有名なだけあって混んでいる。


もう他のメンバーはバラバラにどっかにいってしまった。


残ったのはさとみと私だけ。


「A、大丈夫か？」


そう言って手を出すさとみ。


『ん。』


私もそれに応えて手を出し、手を繋ぐ。


『…さとみの手、あったかいね。』


「Aが冷たいだけだろ。」


『え、そう？』


「ま、俺があっためりゃあいい話だけど。」


『ふふっ。』


不器用だけど、とこどなく優しいんだよな。






『あ！これおいしそう！』


そう言ったのは団子屋さん。


やや大きめで、めっちゃ美味しそう…


「何？A食べたいの？」


『めっちゃ食べたい。』


「なら買うか。」


すたすたと店に向かう。


「団子7本ください。」


「あいよ！」


そうやって渡された7本のお団子。


「これ、他のやつにも渡してやれ。」


『りょーかい。』




『皆、お団子ー！さとみから』


すると皆ぞろぞろとやってくる。


お団子を渡すと、皆揃って


「さとみ君太っ腹！」


「やっぱさとみなんだよなー。」


「さとみ先輩ー！」


そう言ってさとみに感謝する。


…わかりやすいな皆w


「だろ？やっぱ俺なんだよな！」


『さとみもわかりやすいね。』


「www」


お団子に手をつける。


『いただきまーす。』


ん、美味しい。


もちっもちのお餅の中に餡子が入ってて


何個でも食べれる構造になってる…


ここの近くに住んだら太るな。



「ん、A餡子ついてる。」


『え、取って。』


するとさとみとの顔の距離が近くなり、


舌で餡子を取られた。


『んぉ！？』


顔が急に熱くなった。


しかも付いていたところが唇に近かったため、ほぼキスみたいな感じ。


そしてそこをもう一回舐められる。


「ん、うま。」


『……反則！』


ビシッと指をさとみに向ける。


…やっぱずるい。









「あぁあ"！尊い……」


「すごいななーくん。僕爆弾投げたくなったよ。」


「爆弾！？」

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