【鬼灯の冷徹】 僕は傷つかない

虐４、不喜処。 ページ6

言われた通り、仕事をする。


いつもより多い気がする。


きっと、鬼灯や閻魔の分も加算されているだろう。



貴「…今日は寝れるか？」


独り言を零す。


鬼灯「今から視察に行って下さい。」


山のように有る仕事に加えて、視察に行け。


しかし、Aは従うしかなかった。

素直にバインダーとボールペンを持ち、閻魔殿を出て行った。






鬼灯「……やっと消えてくれましたね。」


閻魔「ほんっとに、許せないよ。」



なんて会話も、Aは、聞こえていたわけで………。




Aside


貴「まずは不喜処か。」


さっきの会話、俺のことだった。

鬼灯が好き『だった』。


もはや過去形だもんな。

Aは、「ふっ。」っと笑うと、足を進めた。



〜不喜処〜



皆、俺のこと睨んでる。


柿助、ルリオ、夜叉一………。



あれ？シロが居ない？


休みか。




次へ行こうと思った時、犬の声が響いてきた。




シロ「A『様』！！」


シロの声だ。


俺の名前に、様なんて付けやがって……。


だからバカって言われんだよ。

すると、シロがこっちに走ってきた。





シロ「A様、俺信じてるよ！」


一瞬、耳を疑った。


A「シロ、冗談は止めろ。」


俺がこう言っても、聞かずに言った。


シロ「俺は、A様は無罪だって信じてる！」

シロ「A様は優しくて、厳しいときもあって……。」

シロ「絶対に仲間を傷つけないもん！！」



シロの目が潤んでいる。

俺はただ、「ありがとう」と、言った。


でもシロはこれから、苦痛に苦しむであろう。


何故なら、皆の前で俺の味方だと、言ってしまったのだから。



A「お前、これから痛い目にあうぞ？」


しかし、シロは笑って答えた。


シロ「A様を裏切るよりは良いもん！」







たった一匹の仲間。

俺にはそれが、嬉しくてたまらなかった。

虐５、ウサギ。→←虐３、裁判。

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