雲の行方は# ページ11
黒木side
「さて、今日は何をするか?!」
「だから、お前が考えてないのかよ!! 」
いつもの2人の喧嘩を眺めている俺達
そんな光景をもう暫く見つめていても良かったが、俺はスッと手を挙げた
そんな俺に気付く事なく言い争いを続行している2人組
「黒木君、何か良い案があるの?」
その2人を放っておいて、アーヤが声を掛けてくれる
「知り合いに映画館のチケットと、近くのショッピングモールの割引券貰ったから」
「じゃあそこに行こうよ」
小塚が言って、他の奴らも頷いている
「あの2人は放っといて大丈夫でしょ」
美門がサラッと酷いことを言ったのにも関わらず、なんと満場一致の無言の沈黙
アーヤが静かに立ち上がり、全員無言で立ち上がる
ぞろぞろと書斎を去っていく中、後に残された2人は呆然と俺達を見送っていた
#
「黒木、なんでここの割引券なんて持ってるんだよ・・・」
上杉先生の脱力したような声を聞き、俺は苦笑を滲ませる
俺が貰ったのは、近くに出来た新しいショッピングモールの割引券
中には映画館や、ゲームセンター、服屋や飲食店など多種多様な店が揃っている
出来てからすぐに人気が出て、割引券は直後に完売
「知り合いが使わなくなったからくれたんだよ」
俺は、目をキラキラさせているアーヤに声を掛ける
「姫、行きたい所などございますか?」
アーヤはキョロキョロと辺りを見回していたけど、俺達に目を向けた
「皆が行きたい所に行こう?なんか目移りしちゃうから」
「女って大抵がそうだよな」
上杉がうんざりしたように言ったからか、アーヤは頰を膨らませた
「私をそこら辺の女と同類にしないで」
それを聞いて、その場の男子全員が苦笑
「アーヤも言うようになったよね」
「女を怒らせると怖ぇーぞ」
この言葉で、アーヤは完全に不貞腐れてしまって、口を聞こうとしなかった
「じゃあアーヤ、映画館のチケットもあるし映画観に行こう?」
アーヤは無言でコクリと頷いた
「どんなの見る?」
「上杉が泣いてるとこを見たいから泣ける話だ!」
「俺は映画如きで泣かねーよ」
その時のアーヤは、満面の笑顔でいて、
その裏にどんな感情を秘めていたのか
#
俺さえも分からなかった
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けい - 更新頑張って! (12月3日 21時) (レス) @page25 id: df4e5119e7 (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - なーさん、あおいさん、candyさん、読んでくれてありがとうございます。続編の彼方の春星は、現在大幅に修正を入れています。近々全体に公開予定ですので、しばしお待ち下さい。 (2020年5月28日 21時) (レス) id: ef1cf094cc (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - かよさん» ありがとうございます! (2020年5月28日 20時) (レス) id: ef1cf094cc (このIDを非表示/違反報告)
candy - 天奏さん、とっても面白かったです!!続編も見たいので、もし宜しければ観覧パス教えていただけませんか? (2020年5月24日 9時) (レス) id: 6b72a2ad5a (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - すごく面白かったです! 私、天奏さんの作品大好きなんです! なんですけど、この小説の続編が見れないんですよね。 良ければ、観覧パスワード、教えていただけますか? よろしくお願いいたします。 (2020年5月12日 13時) (レス) id: 331ddf8f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天奏 | 作成日時:2019年6月24日 21時