授かった能力 ページ5
(私なら、可能………？)
身に覚えが無く首を傾げていると、珠世さんの白い手が伸び、私の胸の辺りに触れた。
「おそらく……ここです」
「……は、え？」
意味を理解出来ずに困惑していると、珠世さんの真剣な目が私を捕らえた。
「今、ここには大きな穴が空いています」
「……空いてませんよ」
胸の辺りを見下ろして、もう一度珠世さんを見た。
珠世さんは手を退かすと、真面目な顔で言った。
「あなたが暴走した原因は心の穴です」
「心の………」
確かに、ずっと虚無感を感じていた。
あの時────、
善逸が日輪刀から手を離した瞬間、それがもの凄い勢いで肥大していって、私はその中に飲み込まれた。
思い出して、一気に気分が落ち込んだ。
珠世さんが核心を突いてくる。
「そして、穴を空けたのは抱えきれない程の�狎篷将瓠�
「絶望……」
「おそらく鬼舞辻はそれを知っていた。過去にも同じような事が起きたのではないですか？」
前にも……？
記憶を遡るが、鬼舞辻に会ったのは鬼に変えられた、あの悪夢の始まりの日だけだった。
そして一つの心当たりに辿り着く。
「あの日……、私が鬼になった日の記憶が無いんです。もし、そうだとしたら……」
「ええ、きっと。その時に鬼舞辻はあなたの力を見たのでしょう。全てを失った絶望感…… 筋が通ります」
当時を思い出して、視界が暗くなったような気がした。
「そして空いた穴を埋めるように、他の者の意識……つまり�狄喚瓩魘瑤蕕Α�それがあなたの鬼としての、異質の能力」
「でもそんな、無茶苦茶な……」
すぐに受け入れられるはずもない。
そんなの、鬼というよりまるで────
「──�牘緡遶瓩澆燭ぁ�
得体の知れない、虚像のようなもの。
幼い頃、兄に聞かされた怪談話に出てくる化け物を思い出した。
その晩、怖くて眠れなくなったのを覚えてる。
怨みや悲しみ、そんな怨念がこの世に残り、形を成したソレは、
人を喰らうことを目的とせず、
己の強い無念を晴らす為に人を殺す。
私は、ソレのよう───。
知れば知るほど、自分に嫌悪感を抱く。
「ですが、長年人を食べずにいられたのはその特殊な性質故でしょう」
両手が暖かいものに包まれた。
珠世さんの手だ。
「知りたいとは思いませんか？自分が一体何者なのか……」
「………。」
無表情のまま視線を外すと、珠世さんは眉尻を下げ、下から見上げるように見つめてくる。
「あなたは知る必要がありますよ」
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maicoo(プロフ) - はなさん» ご指摘ありがとうございます！本当にすみません！誤字があると、フッとこう、現実に戻されますよね ; 気をつけなきゃ…(--;)こんな文章ですが、読んで下さってありがとうございます！更新頑張りますね！コメントありがとうー！！ (2019年9月23日 3時) (
レス) id: e4977cc5c7 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！誤字なのですが、鬼血術ではなく、血鬼術だと思います...。これからも更新頑張ってください！応援しています！！！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: 0b253d056d (このIDを非表示/違反報告)
maicoo(プロフ) - カナリアさん» ですねw怒らせたら面倒な男上位に入ると私は思っていますwww続き楽しみにしていて下さい！コメントありがとうございます！！頑張ります！ (2019年9月21日 14時) (レス) id: e4977cc5c7 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - 善逸お怒りですねぇwww続きすっごい気になる！更新楽しみにしてます！ (2019年9月21日 11時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
maicoo(プロフ) - モブさん» コメントありがとうございますー!!!!何だろ、二人を地獄に突き落とすのが好きみたいでこんなことに……wwもう、努力してもらうしかないですねw自分が言うなって感じですがw本当にコメント嬉しいです！頑張りますね！これからもよろしくお願いします!!!! (2019年9月19日 0時) (レス) id: e4977cc5c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：maicoo | 作成日時：2019年9月12日 14時
