月華―狼陛下の花嫁― (ページ6)

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新たな難問ページ6

「お妃様。またお呼び頂けて本当に嬉しいですわ。」にこっ

花が咲くような笑顔。

うっ…今日も可愛いな…

氾家当主の娘であり、正妃候補に最も近いと言われていた子。

容姿も身分も教養も申し分なくて、ほんっっっっとうに可愛いの。

たまに四阿(あずまや)でお茶会をしてるんだけど…

「お妃様、それで最近はどうなんですの？」

「ど、どうって？」

「誤魔化さないでくださいな。なんでも先日は…庭園で突然お妃様を抱き上げられたそうじゃありませんか！」

頬に手を当てて、うっとりと言う。

そんなのどこから聞いてきたの…

最近はめっきり狼陛下と妃の話ばかり。

もうっ、陛下の演技がやりすぎなのよっ！！

「い、いや…それは…」

「本当に陛下はお妃様の事が大好きなんですわ。お妃様が後宮に入られてからしばらく経つのに、まだ縁談をお断りになられているのが何よりの証拠です！」

「そ…それはただ陛下がお忙しいからで…。別に私がどうこうっていう話では…」

「お妃様はどれだけ陛下から寵愛を受けていらっしゃるのか気づいていらっしゃらないのですか？お妃様を見つめる陛下の目がどれほど愛に満ちているのか…。
それはもうこちらが照れてしまう程ですのよ…(うっとり)」

うっ…。は、恥ずかしい…。

そうだ、なんとか話を…

「そ、それより紅珠。また琴を弾いてくれないかしら？」

「琴、ですか？」(きょとん)

「ええ。前に弾いてくれたのがすごく美しい演奏だったから。また聴きたいの。
それに、今日陛下はこの近くで事務のお仕事をなさっているから…少しでも聞こえれば陛下の癒しにもなりましょう。」

「お妃様…！光栄ですわ！」

よし、これで少しは陛下の話のから離れることが出来る！！

それに紅珠の演奏は本当に綺麗だから陛下もきっと癒され―――

「それじゃあ、お妃様もご一緒にどうですかっ？」

…………。

―――――――え？