生存率28％【魔王】 ページ30
「奇人としてこのユニットに入れさせて頂きます、炬です。」
これは今から二年前の話。渉より先に炬が加入してきた時の話。
俺はまだ、メンバーとして迎えられるような心の広さを持っていなかったのか冷たく当たっていた。
だが、しつこくつきまっとっていた訳だ、炬は。
「零さん、ご飯一緒に行きませんか？」
『無理だ。』
「そうですか、また誘いますね！」
何度も何度もこっちが嫌がって断ってんのに誘って来たからもう我慢の限界が来て放課後呼び出した。
当の本人は全然察して無かった、寧ろ呼び出されて何か嬉しがってた。意味が分からない。
「すみません、遅れてしまって。それでどうかしました？」
俺は無言で立ち上がり、ゆっくりと炬との距離を縮めるが炬が一歩ずつ下がっていく。
ようやく炬の背中が壁に着いた所で俺は怒りも兼ねて壁ドンをし、脅すように言った。
『何故魔王の俺に付き纏う。』
壁ドンをされた時の炬の表情は恐怖で曇って居たが、いざ要件を聞くとケロッとした表情になる。
「えっ、どうしてですか？」
『俺の質問に答えろ。』
炬の質問になんて宛にせず更に強く言い放つ。
すると炬は何故か照れくさそうにした。
「零さんは、魔王以前に高校生じゃないですか。俺、仲良くしたいんです。」
嬉しかった。嬉しかったよ。人からそんなに興味を持ってもらえるなんてなぁ。
でもまぁ炬はその次の日の朝に飛び降りて死んだんだがな。
笑っちゃうよなぁ？
魔王魔王ほざいてる俺が、メンバー一人の相談にも乗ってやれなくて。
彼奴が言い逃げしたみたいになって。
あの後連絡先交換して、突然電話掛かってきて、一言だけ言って切れた。
〈 奇人の誇りを捨てないで。 〉
何言ってんだって思った。
お前も奇人だろって思った、言う余地は無かったが。
朝、白い胡蝶蘭を持って学院の噴水の傍に置く。
「我輩は哀れだな、この戯けが。」
俺に相談することは無理だとは思うが一人で考え込んでいるんじゃねぇよ馬鹿。
「また飯に誘うんじゃねぇのかよ、！！」
あぁ、魔王失格だ。奇人なんて・・・、奇人なんて・・・！
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こうなる事、分かってたみたいに言うな、っ！！
数分経つと少し収まって来た。それでも涙は流れる。
『これ、お前に。』
白い胡蝶蘭を買うついでにピンクの胡蝶蘭を一本買った。
『寂しくなくなるだろ。』
白だけじゃ、寂しいからな。
確か、白の胡蝶蘭の花言葉は清純・・・だったか？
ピンクは、知らねえ。
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吹雪(プロフ) - ナタデココナッツさん» ありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2020年1月23日 17時) (
レス) id: 52552b983e (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココナッツ - すごく良かったです!続き楽しみにしてます!頑張ってください。 (2020年1月22日 21時) (レス) id: a628d8ca2b (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 眠い皐月さん» ありがとうございます、めっちゃ嬉しいです！！今後も更新を頑張っていきますので気長に待っていただけると嬉しいです！！ (2020年1月3日 17時) (レス) id: 52552b983e (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 明蛍さん» 年明けに失礼します。コメントに全く気付いてませんでしたすみません。嬉しいです！少しずつ更新していきますので宜しくお願いします。 (2020年1月3日 17時) (レス) id: 52552b983e (このIDを非表示/違反報告)
眠い皐月 - いいです！良きです！！潰しに行くという発想、それに沿って、五奇人との関係性も読んでいて面白いです！！夢主が、ズバズバ言うのもなんだか納得のいくものばかりで、共感しました！！更新楽しみです(*'▽'*) (2019年9月1日 17時) (レス) id: 706c19b5cd (このIDを非表示/違反報告)
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