【あんスタ】どうも、夢ノ咲学院を潰しに来ました。

生存率21％ ページ23

ガバッ
　
　
私は何を？

てか、外に出て、それから、あぁ今何時かも分からない。
　
　
「お〜い？大丈夫か？」

何で佐賀美先生が居るの。
あ、此処保健室だからか。
どうやって戻った？
私の記憶は無い。

「だから早く帰って来なさいと言ったんです。」

『ごめんなさい、話の続きはなんですか。』

そういえば遮って保健室を飛び出してしまった。

「あー、別にいいや。」

それよりと佐賀美先生が言う。

「お前、此処に連れてこられた記憶ないだろ？」

あぁ、確かに。
連れてこられたって事はやっぱり誰かが運んだ？

「あの時は吃驚したさ、まさかお前が外に出たなんてな。」

なんとなく、脚が進んでしまった。

「んで、まぁ大神に背負われてきたな。」

は？
大神は今日休みで学院にはいない。

「学院に来たんですよ、遅刻して。」

「彼奴は治ったらすぐ来そうな性格してるからな。」

隠れ真面目か。と佐賀美先生が呟く。
意外。あいつに真面目な所があったんだ。

「ですが今は豪雨ですよ。」

確かに窓に雨が叩きつけられている。
雷も鳴っている。

「大神が遅かったらと思うと・・・。」

「陣。」

「そう言うつもりじゃ無いけどよ。」

別に良いけど。
もう身を投げ出した経験だってあるし。
取り敢えず何も言わないでおく。喋る気力なんて無いから。

「今回は学院に寝泊りだが、平等の為保健室には寝れない。」

「それに絆を深める機会でもありますからね。」

どっちでも良いけど御曹司とかは居ないんだろうな。

「御曹司は面白そうとか言って残ってるぞ〜」

エスパーがいた。
まあ良い、じゃあ全員居るって事か。
丁度いい。月永レオと面識したかった。

「じゃあ移動するぞ。歩けるか〜？」

足はちゃんと動く。目眩も収まっている。

気分も悪くは無い。

ゆっくりと頷いた。

　
ベッドからおりて教師の後を追う。
保健室に鍵をかけて並んで歩く二人の背中を見ながら窓の外を眺める。
　
ふと、背後に気配を感じる。
足を止めて振り返っても誰もいない。
教師は何も気づかず歩いて先に行ってしまう。

追いかけようとするが足が動かない。
暗闇の中の恐怖は人一倍あると思う、しかも豪雨付きだ。

ああ、駄目だ。足に力が入らない。
床に座り込むことしか出来ない。
雨が私に向かって打ち付ける。

もう思い出したくない過去がフラッシュバックして＿＿＿＿＿＿
　
　
「何しているのです。Aさん。」

「ほ〜ら、行くぞ。」

佐賀美先生におぶられながら、椚先生に背中をさすられながら。
　
　
「置いて行きませんから、安心しなさい。」

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