生存率19％【教師】 ページ21
モデルの仕事が終わって帰りの準備をしていた時、
「師匠っ・・・！」
私の唯一の弟子、炬が話しかけてくる。
私が弟子をとるなんて絶対ありえない事だと思っていたが炬は何回も頼んできたから仕方なく、だ。
だが、自慢の弟子だ。
『どうした。』
「あのっ、この後少しだけでも良いんでアイドルの事で相談があって。」
炬が相談なんて珍しい。
普段は同じユニットの斑に相談しているから。
これは結構な内容だろう。
少し場所を変え、椅子に腰を掛ける。
『なんだ？』
「このまま僕はアイドルとモデルを両立しても良いんですかね？」
どうして？と思ったが言葉を飲み込み静かに話を聞く。
「実は、妹が不登校で。支えられるのは僕や斑しかいないと思ったんですけど。」
その先の言葉を少し詰まらせる。
と、二〜三回深呼吸を繰り返し気持ちを落ち着かせたのかゆっくりと私の方を見る。
嗚呼、やめてくれ。
君のその綺麗な涅色の瞳と琥珀色の瞳で見つめられたら、
目を逸らせないじゃないか。
〈 師匠も、居たんですね。 〉
何故かぎこちない笑顔で笑う。
何故そんな、苦しそうな顔をするんだ。
炬、君という人は私を置いていくなんて何を考えている。
：：：：：：：：：：
「あー、すみませーん・・・」
まーた来たよ。保健室の常連、柏木炬。
『どうした？炬。』
こいつは何時も無理をする。何回斑運ばれてきたんだ。
もう何回か忘れたなぁ。
「いえ、少し身の危険を感じただけです。」
毎回運ばれてくる事にこいつに釘を刺してるからな。
俺がしつこく言ったからか運ばれてくる前に此処に休みに来る。
『ベッド、空いてるから寝てろ。』
「はい、。」
今回は素直にベッドに行く。何時もならそこまででは無いと遠慮するのに。
余程駄目なのか心配になった俺は炬に近づく。
すると、炬がベッドに腰をかけて俯いたまま動かない。
『どうした？』
と声をかけると、
「おもちゃって、楽しいですかね。」
『え？』
「おもちゃで遊ぶのって楽しいですかね。」
俺はこの時妹さんにおもちゃを作ってプレゼントするのかと思って、
『まぁ、自分の思うがままに動かせるし、楽しいんじゃないか？』
「そう、ですよね。」
と言った。
だが、実際は。
〈 俺、遊ばれてたんですよ。 〉
酷く重い一言だった。
あぁ、炬。
そのまま走ってくお前の背中を、只々見つめるだけのこの老いぼれ教師を、
＿＿＿＿＿＿＿許してくれ。
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吹雪(プロフ) - ナタデココナッツさん» ありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2020年1月23日 17時) (
レス) id: 52552b983e (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココナッツ - すごく良かったです!続き楽しみにしてます!頑張ってください。 (2020年1月22日 21時) (レス) id: a628d8ca2b (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 眠い皐月さん» ありがとうございます、めっちゃ嬉しいです！！今後も更新を頑張っていきますので気長に待っていただけると嬉しいです！！ (2020年1月3日 17時) (レス) id: 52552b983e (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 明蛍さん» 年明けに失礼します。コメントに全く気付いてませんでしたすみません。嬉しいです！少しずつ更新していきますので宜しくお願いします。 (2020年1月3日 17時) (レス) id: 52552b983e (このIDを非表示/違反報告)
眠い皐月 - いいです！良きです！！潰しに行くという発想、それに沿って、五奇人との関係性も読んでいて面白いです！！夢主が、ズバズバ言うのもなんだか納得のいくものばかりで、共感しました！！更新楽しみです(*'▽'*) (2019年9月1日 17時) (レス) id: 706c19b5cd (このIDを非表示/違反報告)
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