30(緑茶餅) ページ10
夕方なので晩御飯の準備をしていくクレアの後ろにアホ毛をぴょこぴょこ跳ねさせながら手伝いに行った。
「僕ちょっと森に行ってくる。明日の朝までにはいると思うよ」
「そんなにかかるの?」
そうアラジンがいい、窓の外を見ると父らしき影が見えた。
「…いや、違う用事も出来たから」
そう言って2階の窓から飛び降り、父の影を追った。
___________
「…あ、炎の剣…忘れてきた…」
まぁどうせ名前を呼べば勝手に来てくれるから本当はどうでもよかった。
僕は父の影を追い、灯台で父の影は無くなった。
最上階にまで行き、辺りをみ渡すと…ある所で目が止まった。
「……海の向こう側……村?」
僕は魔力の波動が感じられた。
人工的に作られた魔力の波動…
元があそこに隠されていると言うのだろうか。
あそこに行くのは正直初めてだから、少し緊張している。
灯台の屋根上に上り、父の形見に横乗りで杖の上に乗る。
「…飛んで!!アスラ!!」
「アスラ」という名前を付けたのは父だった。
杖の過去はまた今度お話しよう。
そして村に行った。
________
村に着けば既に夜だった。
「………血の…臭い……」
嫌な空気だった。
父の影を見つける度、それに警戒しつつ着いていく。
暫くすると村が見える。
…村?
「………死体…………」
絶句しそうになる。
なぜ村に死体が?
ここは誰かに襲われた?
そう言えばここに来る途中嫌な空気が漂っていた様な………。
「………シオン…?」
シオンの魔力の波動、ユナンの魔力の波動がここにあった。
まさかここに来ていたのだろうか…?
「………家………」
壊れた一軒家の中に入り、中を確認するがこれと言った物は見つからなかった…が
入口付近にあるものを拾う。
「…………青い…リボン……?
血で染められてる……」
一つのリボンを拾い、それを保管する。
そろそろ帰ろうか……
そう思った瞬間、誰かの視線を感じる。
「…………父様の杖がある限り、何の言霊も効きませんわよ。現れなさい」
そうわざとらしく言うと、そこから現れたのは………
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:緑茶餅と碧色 x他1人 | 作成日時:2017年7月17日 20時