29(碧色) ページ7
「クレアシオン」
その呪文を唱えると私の杖はみるみる形を変え金製の剣になっていた。
金で出来ているにも関わらずとても軽い。頑丈でもあるはずだし切れ味も抜群なはずだ。
クレアシオン_____この世に存在するものを元に、この世に存在するはずのないものを創造する魔法。
いや、この言い方は正確ではないけど。
私は躱した勢いで剣を振り男の人の首を切り落とした。
それを合図にしたようにガサガサと若いたくさんの男の人、女の人が飛び出してくる。その人達は皆剣をもっていた。
味方ではないのだろう。
私は次々とその人たちの首を切り落とす。この人達が村の人たちを殺したのなら、容赦する理由はない。
15人。最終的にはその数の人を私は殺した。この村だけで。15人だ。
少し笑えてくる。
さて、誰がなんのために、これだけの人数の人をこの村に送り込み村の人たちを殺すことにしたのだろうか。
私は剣を元の杖に戻し、とりあえず本来の目的である忘れ物を探しに行った。
_____私の忘れ物と、クレアが大事にしているもの。それをカバンに詰め込み、私はユナンを連れて村から出た。
用はすんだ。あそこにはもう、誰もいない。用もない。とどまる理由もない。
「シオン……」
気遣ったのかユナンが声をかけてくる。
「なーに、心配してくれてるの?相変わらず紳士。」
人殺しにそんなに優しくしなくたっていいのに。
__________
許さない、許さない、許さない!あんなにいためつけられて許せるはずがない!!
死んではいないとはいっても、痛みは確かに感じた!!
見ていただけのガキも、殺した本人もその馴染みも、あの小僧たちだって!!!絶対洗脳して一生私の元で服従させてやる!!!!
焼かれた時の痛みを思い出しながら"魔法道具"を片手に白い髪をなびかせ、金の瞳を揺らしながら足早に歩く女が1人。
血眼で"家"に向かっていた。
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作者名:緑茶餅と碧色 x他1人 | 作成日時:2017年7月17日 20時