謝ってすんでも結局警察は関係ない ページ12
「Aさん?!」
いきなり距離を縮めたからか、動揺している新八くん。ごめんね。
「はぁ…、お茶でも出しますから、話はその後でいいですか?」
「…わかりやした」
新八くんが手際よくお茶の準備をする中、ソファーに腰掛けてじろじろとこちらを見てくる。なんなんだ。
「…なんですか」
「純情そうな面してる癖に旦那をたらしこむなんてどんな女だろうと興味が湧いたんで」
今にも噛みつきそうな神楽ちゃんを宥めつつ。こいつが何を言っているのか理解ができない。
「なんですかそれ、どういう意味?」
「とぼけたって無駄ですぜ」
内ポケットから取り出された写真には、私と万事屋さんの姿。こんなのいつ撮ってたんだ。
「総一郎くん、それ勘違いだから」
「旦那、総悟でさぁ。勘違いって言うのはどういう訳ですかぃ」
万事屋さんが事情を話してくれた。ちんちくりんで年相応に見えないのがよくないのかと反省する。
「それは失礼しやした」
「お前もひとつA姐に謝らなきゃいけないことあるネ」
「身に覚えがねぇや」
「はー、これだから税金ドロボーは嫌アルな」
お前こんなことも忘れてたのかヨ、と小馬鹿にしつつもまるで自分のことのように話してくれる神楽ちゃん。かわいい。
「どう落とし前つけるアルか」
「まあ、万が一にでも暮らしに困りゃあ屯所に来てくだせぇ。面倒くらいは見てやりまさぁ」
わかりましたと言葉を紡ごうとしたのだけれどその前に万事屋さんに口を塞がれてしまった。
「あんな男ばっかの大所帯にホイホイぶちこむ訳ねーだろ、総一郎くん?神楽も心底気に入ってるみてぇだし、なんかあったらこっちで面倒みるから」
そこんとこよろしく、と言い放った万事屋さん。やれやれとでも言うように一つため息をついて、万事屋から出ていった。
「すみません。私の容姿のせいで、万事屋さんに迷惑をかけてしまって」
「気にすんな、総一郎くんもわかってちょっかい出しに来ただけだろうし」
全部わかってたのか。食えないやつだ。しかし。そんなことよりも。
「私を面倒みるって言うのは?」
「なんつーか…、渡したくなかったんだよ、総一郎くんに」
なんてな、とニヒルな笑顔で呟いてジャンプに目を通しはじめた万事屋さん。
照れ隠しのつもりなのだろうけれど、耳が赤いのがバレバレだ。それでも、嬉しいものは嬉しくて、口元が緩んだ。
最近の若者は発言が辛辣→←ロリコン=やばいやつって思われがち
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作者名:ぴ! | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2018年9月4日 0時