なにがなんでも約束は守れ ページ18
「落ち着いた?」
「…、はい。ご迷惑お掛けしました」
そこら辺にあるティッシュを取り、鼻をかむ。いい年して人前でこんなに泣くなんて…、恥ずかしいこと極まりない。
「Aちゃんトラブルメーカーみたいだしさ、なんかあったら銀さんに言うこと。いい?」
「わかりました」
じゃあ約束だなと小指を出した銀さん。子供じゃあるまいし…と思ったけれどこんなに人前で泣いておいて大人ぶったところで意味ないかと素直に右の小指を差し出す。
「ゆーびきーりげーんまん、嘘ついたら…」
嘘ついたら、で言葉が止まった銀さん。嘘ついたら何かな?と目を合わせれば。
ぐい、と顎を持ち上げられ、そっと口づけを落とされた。えっ、なにゆえ接吻。別に嫌というわけではないけれど。…ん?嫌ではない??
「嘘ついたら…、ちゅーしちゃうからね」
意味ありげな笑みを浮かべ、爆弾を投下した銀さん。なにそれ、私の反応を見て遊んでるのかな、なんて素直ではない私が顔を出す。
遊びだったとしても、なぜだろう、胸の高鳴りが止まない。そして心のどこかで喜んでいるし、何かを期待している私がいる。
久しぶりのこの感情…これがいわゆる恋、とか言うやつなのだろうか。確証はない。
気まずい沈黙を紛らわすために、乙女(自称)の心のモノローグを綴っていれば。
「銀ちゃん…、ついにA姐に手ぇ出したアルか」
「か、神楽?!どっから見てたの!?」
何もないからね!!、と必死に否定する銀さん。銀さんにとっては何もないし、否定したい出来事なのかもしれないけれど、そこまで経験のないちんちくりんの私にとってはそれなりに重大な出来事で。
少し…いやかなり、もやもやとした気持ちになった。
墓穴を掘っても堂々としてればバレない→←お菓子作りは計量が命
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作者名:ぴ! | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2018年9月4日 0時