最強な弟。フツーな兄。 弐

肆拾‐参 ページ5

門に入ろうと手をかけて気付く。



あれ？これフツーに入っていいやつ？

確かに俺は京都校の卒業生だが、俺が卒業したのは3年生の時(大学を現役で入るために権力乱用したとか言えない)。その上、1回は呪術師辞めてるし、再開したのも最近だ。


結界が反応するのでは？？？


しかも事前連絡してないし。
これフツーに入ったら詰むくね？




いや、一応認可されてる呪術師だと信じたいけど……

というか、先輩に会いに来たんだからフツーに電話すればよくね？



スマホを取り出し、連絡帳の下ら辺にいる先輩の名前を見つける。ずっと連絡をしてなかったから随分と下にいる。

“通話”ボタンを押した。


3コール目で相手は電話に出た。

「なんか用」
「第一声冷たすぎない！？」
「10年ほど音信不通だったバカ後輩にかける言葉はないわよ全く……最近になって呪術師に戻ったって噂で聞いたけど連絡よこさないし…」
「それはすんません。まあでもする必要もないかな？って感じで。先輩元気でしたー？」
「元気よ」
「それは良かった。先輩弱っちいんで心配だったんですよー(笑)」
「切るぞクソ後輩」
「やだな冗談ですって冗談」


電話の庵先輩は昔とあまり変わっていないように思えた。

庵歌姫先輩。

今は京都校で教師してるんだっけ？知らんけど。



「アンタ今どこにいんのよ。東京？」
「いや、京都ッスね。というか高専の真ん前です」
「はぁ！？え、今来てんの？あ、交流戦関連で？」
「交流戦…？そういやもうそんな時期？」
「違うの？……あーもういいわそこで待ってなさい。迎えに行くから」
「うぃーっす」

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