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冷side


「アベル、此の本丸の刀剣を鍛えてくれないか?」

僕がアベルにそう言ったのは彼が身体の使い方を良く解っているからだ。…刀剣で有る彼等には正面からぶつかるという考えしか無い。姑息な手を使わないというのは美点でも有るが、今は戦時中。そんな事を気にしている暇は無い。

ア「…何故私に?」

「お前の立場をはっきりさせたいと思ってな。後カリスマも上げたい。」

アベルは他の英霊とは違う。彼は僕が召喚した影響か有り得ない事が出来てしまう。適性クラスの増加や宝具を二つ同時に開放する等、普通は出来ないのだ。クラスが全て統合されているお陰か、アベルは強い。恐らくFGOキャラの誰よりも。僕や久作と何回も殺し合いをしたからか、相手が何処を狙っているか等一瞬で判断出来る様になった。

練度は顕現時で普通の刀剣ではカンストしている様な値だし、僕や久作があからさまに特別扱いしている事も有ってか他の刀剣との仲は余り良く無い。アベルが警戒しているというのも有るが。

「…此処にお兄さんは居ないんだし、もう少し気を抜いてもいいんじゃない?」

大好きな兄に殺され、信じていた神に見捨てられた。…仮令身内だとしても信じられないのは当たり前だ。

ア「貴方は…彼等を…信じられるのですか?私には無理です。マスターや久作様なら兎も角、彼等はあれと同じ神だ。」

…統合された時の主人格が復讐者(アヴェンジャー)だからなぁ。小夜と気は合いそう。

「…確かに彼等は神だ。だがお前を捨てた神とは違う。同一視するな。自分を見てもらえない淋しさはお前も良く解っているだろう。」

…此の子だからしょうがないのかも知れないが、せめて心を許せる友人が一人でも出来ればいいのだが…。

ア「…少し、頭を冷やします。」

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作者名:マツリ | 作成日時:2019年3月24日 23時

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