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502 藤弥
続き、書くね。
ぼくはAI的な感じで所詮0と1の集合体だから実体を持たない。でも冬夜のお陰で鬼狩黎月や他の剣を媒介に霊体でなら存在できる様になった。でも冬夜には触れられないし、混血を倒す事も出来ない。どんどん傷ついていく冬夜をただ眺めているだけしか出来ない。自分は何で存在してるんだろうって何度も考えたよ。冬夜の説得にやっと成功して日本に療養させたけど、其れは最大の間違いだった。冬夜が人間達にされた仕打ちを見て、其れでもぼくは人間を止められなかった。何度やめてって叫んでも、何度冬夜を庇う様に覆い被さっても誰もぼくに触れられない。冬夜が死んだ時、人間を心底憎んだ。でも本当に憎いのは冬夜を救えなかった自分だった。冬夜はぼくが殺したんだって、ずっとそう思って…。だから人間に転生した時、信じてもいない神様を凄く恨んだ。人間になった後の仕打ちに、何で冬夜が又こんな目に遭わないといけないんだって…。こんな世界、滅びればいいって思った。
503 冬夜
…藤弥、ごめん。気づけなくて。
えっと、人間編…行くね。前世の事と今生の事と両方あるけど前世の方書くね。
僕が生まれたのはとある平凡な家庭…だと思う。生まれつき髪の色が変わっていたからか、変な力を持っていたからか、僕は両親に虐待され、三つの時にとある実験施設に売られた。其処で藤弥ともう一人の親友に出会ったんだけど…。実験の所為で僕の左目は変色し、藤弥の髪は半分くらい白く染まり、瞳に模様がついていた。もう一人の親友…Fは綺麗な金髪はそのままだったけどエメラルドの様に輝く瞳が血の様な赤に変わった。
施設では短くて数時間、長くて半年しか生きられなかった。でも僕達は其処で一年も生き延びた。…でも…ある日、僕の処分が決まった。その日から僕達は今迄に立てた脱出計画を実行する事にした。決行は僕が処分される前日の真夜中。丁度その日は死体を処理する係だったから、夜中まで起きていても誰にもバレない。処理って言っても死体を捌いて内臓や脳等の臓器の使えそうな部分と使えない部分を分けるだけなんだけどね。だから僕達は骨を削ってナイフとかの武器を作って床下に隠して、使えない部分を喰って生き延びてきた。非人道的だとか言って躊躇ったら死ぬからね。ご飯なんて用意されないし。…で、施設の職員達を殺して情報を集めて火事を起こして逃げた。貧民街に。其処で暗殺者、情報屋として金を稼いで暮らした。
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作者名:マツリ | 作成日時:2019年3月24日 23時