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(宇隨side)
宇隨「A。目覚めたばっかで悪ぃが、話して
おかなくちゃいけねぇ事がある。」
俺がそう言うと寝台から起き上がろうとする。
宇隨「待て!!そのままで良い。起きたばっかだ
まだ本調子じゃねぇ。派手に寝とけ」
『はい、、。』
宇隨「俺はもう鬼狩りとしては使い物にならない。
左目だけなら良かったが腕まで無くなっちまった」
こく、こくと神妙な顔つきで静かに頷く。
宇隨「だから俺は柱を引退して育手の方に回る事に
なった。」
宇隨「だから、A。俺の空いた柱の席を継子である
お前に任せたいと思ってる。」
『、、、、、、、、!!』
Aの丸い薄桃色の瞳が大きく見開いた。
宇隨「ふはっ!お前はいつでも派手に表情豊かだなぁ」
『ねぇ、師範。果たして私に柱が務まるかな、』
宇隨「何湿気たこと言ってやがんだよ、」
宇隨「お前には充分柱になる資格がある。」
雛鶴「下弦の陸を一人で倒したじゃないか。」
まきを「それに炎柱様との列車の任務でも鬼を
最後まで追い詰めたんだろ?」
須磨「この前の任務だって天元様と意思疎通しながら
兄妹鬼の頸を斬ったじゃない」
宇隨「俺はお前を柱にするために稽古を常に厳しく
してきたつもりだ。その稽古にお前は毎度
めげずに派手に着いてきた。」
宇隨「だから派手に自信をもて!この音柱宇隨天元様
の継子ならよォ!!!」
己の胸をトントンと叩いてみせると
ずっと神妙な顔つきをしていたのがころっと笑顔に
変わった。
『ありがとう。宇隨さん。姉さん達。』
『私。柱になります。師範や煉獄さんの分まで
派手に鬼の頸をかき取ってやります!』
強い意志が宿った瞳で俺を見た。
宇隨「そうか!そうか!派手に決断しやがって!!
さすが俺の継子だなぁ!!!!』
宇隨「A!完治したら御館様に報告しに行くぞ」
『はい!』
俺が拾った当時のAは常に弱々しくべそべそ
泣いている印象だった。
そいつが歳を重ねてこんなにも強い意志が宿った
瞳で俺を真っ直ぐ見据えるまでに成長したのが
派手に嬉しかった。
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作者名:風花 | 作成日時:2022年4月10日 21時