◇ ページ19
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大「、あ、っと、……」
涼「やっぱり嫌いなんだ……」
しゅんっとした表情をみせる先生。
そんなんされたら、ふらっと言ってしまいそうになる。
でも、俺は………これ以上嫌われたくないから。
気持ちを握り潰すように拳に力をいれた。
大「っ……先生のそういうところが生徒を勘違いさせるんだと思います。下らないっつっても、セクハラ紛いの質問されてへらへら笑ってるから奴らは調子にのって」
…………俺は好きな子の前で素直になれない性格だった。
強がるか、ふざけるか………本気にされずに終わってきたんだ。
過去の反省点に今気付く辺り、先生のことは諦めろって神様からのお告げなのか。
涼「怒ってるって、そういうこと?」
大「……、うん…」
涼「………ふふふっ、なんだ。よかったぁ」
八の字になっていた眉がきゅっとあがって。
入り口のとこに突っ立ったままの俺を椅子まで引っ張った。
………小さくて柔らかい先生の手が……俺の腕を………
涼「みんなに普通に接しているつもりだったけど………年も近いし、迫力や威厳が足りないよね。ありがと、これから気を付ける」
だから距離感、間違えてるって。
近いよ、先生。
至近距離で上目遣いで微笑むなんて、反則も反則。
こっちは拷問だよ。
あと一歩で簡単に崖から滑り落とされる。
そうしたら先生は、また………冷たい目で見下ろすんだ。
大「じゃ、じゃあ……俺が質問するから、答えてみてよ」
目をみてはいけない。
学校や親に教わったこととは真逆だけど、先生がいる方とは反対を向く。
涼「ん?……いいよ、どんと来なさい」
………先生はきっとまた可愛い顔をしている。
想像ですら息をのむ、綺麗な顔をくしゃりとして。
大「………彼氏、いるの?」
涼「ふふっ、どうでしょう?」
考えが全く読めなくて、掴み所がない。
試されているのか、天然なのか分からない。
そんな先生の良いところも、悪いところも、この短時間で少し垣間見れたよ。
大「それ、変わってないだろ」
お互いの立場を除いても、この人は好きになってはいけない人。
危険を知らせる警報が鳴っていた。
が……………時既に遅し。
とっくに膝下まで底無しの沼に沈んでいて。
藻掻けば藻掻く程に、甘く痺れていく。
もう、出られなくていい。
ね、先生………このままで、
大「せんせ、…俺っ」
涼「あれ?でも、有岡くんいつも保健室に来てなかったよね?」
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夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - ゆりあさん» えっ、!えー!!ゆりちゃんじゃないですか!?まさか読んでくれているなんて思いもせず…(/ω\)ありがとうございます…!更新できるように頑張ります!! (2020年12月7日 22時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 最新話読みました!やばい…特に終わり方最高でした、、いい意味でゾクっとしました( ; ; )お話の雰囲気といいそれぞれの性格といいめっちゃ好きです!! (2020年11月20日 18時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - りーさん» ありがとうございます…!コメントを頂いて更新を思い出しました(;>_<;)頑張りますー! (2020年8月18日 23時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
りー - めちゃめちゃ面白いです!!更新頑張ってください!!! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 098b6922b2 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - アリーさん» お返事遅くなりすみません…!ありがとうございます(^^)頑張りますー! (2020年7月13日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
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