◇ ページ18
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この日ほど、殺伐とした保健室はない。
コクった生徒も、コクられた先生も教頭から厳重注意を受けて。
当分の間、二人は接触を禁止された。
バカだなお前、と慰められたり笑われたり。
俺なら生き地獄。
ただ、これに学んだ生徒もいたものの、先生へのセクハラが止むことはなかった。
「先生、今度デートしてよ」
涼「お金の無いデートはしないの」
「バイトすっからさ!」
涼「車無いでしょ?だーめ」
………先生も。
教頭に締められたって聞いたのに相変わらずの調子で。
大「……俺、いきづれぇじゃん…」
はぁ…………
可能性を否定されたのに、気持ちが冷めねぇ。
涼「……君、熱中症?」
大「えっ!?、」
涼「どうしたの?もう授業始まってるけど…」
考え込みすぎて回りが動く気配も、予鈴にも気付かずに………
不審に思った先生がわざわざ保健室から出てきて、彷徨く俺の肩を叩いた。
大「さ、サボり…です」
涼「……そっか。じゃあ、保健室来る?」
願ってもない展開だ。
ただ………今朝の先生の言葉が胸の中をぐるぐる巡ったままで。
素直に頷いていいものなのか………
涼「他の先生に見つかっちゃうよ?」
大「はいっ」
………入ってしまった……
あの夏休み以来の保健室。
涼「座らないの?」
大「いいんすか…?……教頭に、締められたって聞きましたけど」
涼「ふふふっ、聞いちゃったんだ」
大「こんなとこ見つかったら」
涼「保健室に先生と生徒が二人になったらいけないの?
気の問題はあるかもしれないけど、そうなったら養護教諭の意味がなくなっちゃうと思わない?」
そう饒舌に話す先生。
やんわりと、俺の気持ちを否定されている。
大「先生がその気にさせたんじゃないですか?」
涼「………」
……………え、俺今なんて……
謝りに………なんて、ほど遠い。
大「っ、すいません……」
涼「………有岡くん、だよね?」
そこでハッとした。
俺は名前すら名乗っていないのに、先生に対して嫌味ばかり………
…………無いわ、俺。
涼「昨日、話の途中だったから気になってたんだ。俺、有岡くんに嫌われるようなこと何かしちゃった?」
大「違うんです、!……あの……俺は、先生のことが嫌いじゃなくて、むしろ逆でっ……」
涼「ほんと?じゃあ、好き?」
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夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - ゆりあさん» えっ、!えー!!ゆりちゃんじゃないですか!?まさか読んでくれているなんて思いもせず…(/ω\)ありがとうございます…!更新できるように頑張ります!! (2020年12月7日 22時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 最新話読みました!やばい…特に終わり方最高でした、、いい意味でゾクっとしました( ; ; )お話の雰囲気といいそれぞれの性格といいめっちゃ好きです!! (2020年11月20日 18時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - りーさん» ありがとうございます…!コメントを頂いて更新を思い出しました(;>_<;)頑張りますー! (2020年8月18日 23時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
りー - めちゃめちゃ面白いです!!更新頑張ってください!!! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 098b6922b2 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - アリーさん» お返事遅くなりすみません…!ありがとうございます(^^)頑張りますー! (2020年7月13日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
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