借金下僕と宇髄探偵、謎を解く【鬼滅の刃】

ベルゼビュート ページ24

遡ること1時間前。


「わぁ…善逸も宇髄さんも似合ってる」

「当たり前だろ」

「むふふ…Aちゃんも似合ってるよ〜」

「うわっ笑いかた気持ち悪いっ」

「誉めてるのに！！」


花嫁からの依頼もかねて3人とも結婚式に出席することになったのは少し前に決まった。それから服を大急ぎで仕立てたのだ。それにしても依頼を受けた宇髄さんしか花嫁を知らないのだが、私たちは果たしてこの場に来ていてよかったのだろうか。

続々と参列者が教会に集まってくる。どの人も裕福そうな衣装で私たちの場違い感を増幅させてくる。仕方がない、何せこの結婚式は教会式なのだから。

そもそも結婚式は教会式、神前式、仏前式、人前式の四種類がある。その中で教会式はキリスト教の神に結婚を誓う儀式のことで西洋式なのでドレスを着る。そのウェディングドレスはほとんど日本にはなく、海外からの取り寄せとなるため限られた人しか着ることができないのだ。限られた人、それすなわちそれができるほど裕福な人。改めて自分が借金まみれであることを思い知らされる。しかしそれだからこそ憧れるものなのだ。


「いいなあ私も教会式がいいな…」


なんてポツリと呟くと宇髄さんが顔をニヤつかせながら言った。


「煉獄に頼めばいいだろ」

「…わ、忘れてた」

「うわ、ひっでえな」

「え、え？なんの話？ねえAちゃん何の話？」


顔にどんどん熱が集まるのがわかった。だから逃げることにした。


「ぜ、善逸には関係ないからぁぁぁあ！！！」

「ちょ、Aちゃんどこ行くのさあ！？」

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