借金下僕と宇髄探偵、謎を解く【鬼滅の刃】

ベルゼビュート ページ25

大きなため息をひとつ。

気恥ずかしさから我武者羅に走って見つけたバルコニーで息を整える。呼吸が整い始めてようやく“例の内容”について考える。

しかし、よくよく思い出してみるとあの日の煉獄さんの台詞はそこまで本気ではなかったように思える。結婚したら俺は代わりに払うぞというその場の軽い冗談か何かだったんじゃないだろうか。まてよ、そうだとすると私は随分と恥ずかしいやつなんじゃないか。勝手に求婚されたと思いこんで1人恥ずかしがって…。でも、それは宇髄さんが冷やかしたからで！


「なんで一人で百面相してんの？」

「ぅわあ！！善逸！」

「なんで百面相してるのかわかんないけどさ、悩んでるんだったら聞くよ？」

「悩み、ねぇ」

「Aちゃんだって一応女の子なわけだし例えば“恋”の悩みとかね！あ、でもAちゃんいっつも食べる事しか考えてな…＿＿」


恋。私がこんなに煉獄さんの事を宇髄さんに言われて顔を熱くしているのは恋なのだろうか。そういえばあの時、煉獄さんに求婚(仮)をされたとき宇髄さんが渡せないって言ってくれたこと、嬉しかったな。下僕は置いといて。


「ん？」


そこであることに気がついた。
嬉しかった？宇髄さんに言われたことが？
それって煉獄さんより宇髄さんのことが……！？
いやいや、そんな筈ない！思い込みはよくない。推理の基本だって宇髄さんが…ってまた宇髄さんが出てくる！


「…ぇ！…って、！ねえってば！！聞いてなかったよね！？俺の話！」

「え、あ！ごめん。で、なんだっけ」

「いやもういいわ別に！大した事言ってないから！！とにかく戻るよ」

「ごめんね。今度はちゃんと聞くし、なんかあったら善逸に相談するから」


この気持ちは思い込みだということにして結論付けると、とたんに頭がすっきりした気がした。さっきまであんなに考えていたのが馬鹿みたいだ。


「あ、そういえばあの人は依頼人に会ってくるって言ってたから戻ってもいないかも」

「へぇ、そっか。善逸、まだ時間ありそう？」

「多くはないけど一応まだ大丈夫だけど…なんで？」

「いや、その…」


口籠ると善逸が首をこてっと傾げた。ちょっとばかりこれは言いづらい事なのだ。女の子にとって。


「…お、お手洗いに行きたいんだけど」

「あ、ああああ！そういうことね！いってらっしゃい！！俺最初のとこで待ってるから！」


二人とも少し顔が赤かった。

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