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皐月 ページ3

店員「いらっしゃいませ〜」

今日は久しぶりに臨時収入があったから茶屋で甘味でも食べようと思ってね〜。
団子を2本とお茶を頼み、傘のさしてある2人がけの椅子に腰を下ろし、既に散ってしまって道の隅で砂まみれになっているピンク色の花びらをいまじしく見つめた。ふと気づくと足元に影が落ちている。
じっと動かないでいるその影に不信感が募り、ゆっくりと顔を上げる。

土方「よぉ。」
銀時「っ土方くん?!」
土方「お、名前覚えたんだな。」

いや、本当は前から分かってたけど。でもなぜか恥ずかしくて呼べなかった。名字呼ぶなんて当たり前だし恥ずかしくもなんともねェはずなのに。まてよ?土方くんも俺のこと万事屋って呼んでねェ?いやいやいやいや!しかも俺と土方くんは事情がちげぇだろ!ってなに普通に俺が土方くん好きなの認めてんの?!

土方「っははは、」
銀時「え、土方くんなに笑ってんのー?!」
土方「いや、一人で考え込んで百面相してるからよ」
銀時「うそ〜そんな?」

ピタピタと頬を触る俺を見てまた笑った土方くんはいつもより雰囲気が柔らかい。なんでだろう。

…あぁ、そうか。
銀時「私服なんだ。休み?」
土方「ん?あ、おう。」

ゆるく着崩した深い紺色の着流しは土方くんによく似合っている。いつもよりフワフワとしてる髪は寝癖のせいか。

土方「熱、もういいのか。」
銀時「ふはっ、土方くん、それ、今更じゃない?」
土方「そうか?結構辛そうだったからな。」
銀時「まぁね〜、俺と話すの楽しみにしてたのにお花見行けなくてゴメンねェー?」
土方「っ…誰が!!」

うわ、俺調子乗ったかも…でも…そっぽ向いた耳が赤い。ちょっと期待していいかな。なんて、男子中学生みてェ。

土方「…来週の土曜、飲まねぇか。」
銀時「え、それ」
土方「あいてんのか、あいてねぇのか?」
銀時「あいて…ます…」
土方「決まりだ。迎えにいく。じゃあな。」

ついにそっぽ向いたままこっちを向いてくれなかった土方くんは赤い耳のままどこかに歩いていった。屯所とも銭湯とも映画館とも反対方向だからどこに行くのかわかんねェけど…デート、って思っていいのかな。俺は茹で上がった頬の色を隠すように顔を覆った。

ーーーかなり男らしい誘い方だけどそれでも可愛いって思ってしまう俺は病気だろうか。

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設定タグ:銀土 , 死ネタ , 銀魂   
作品ジャンル:泣ける話
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Leaf(プロフ) - あぁぁ、好きです(唐突)更新お願いします!!! (2019年3月29日 10時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
月白(プロフ) - 公開設定を「検索よけ」に設定されていますか?設定しておいたほうがよろしいかと思われます。されていたらごめんなさい (2017年5月25日 17時) (レス) id: 86ba02c6f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りとる | 作成日時:2017年3月18日 20時

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