【りぶ】叶わない願いだとしても/美紗 ページ11
今私は教室でりぶ先生と2人っきりでいる。
もちろん、それにはちゃんと理由はある。
「ほーら、早くしないと帰れませんよ」
「先生ここわかんないんですけど…」
「Aさん、話聞いてた?」
「………聞いてたはずです」
はぁっと溜め息をつくのはりぶ先生。
私が通っている学校の先生の中では1番イケメンだと思っている。
そして私は先生に恋している。
もちろん面食いではない。
こうやって補習をしている間に惹かれているだけなんだから。
「えーっと、ここはNaを使って…」
「じゃあこうですか?」
「そうそう」
りぶ先生は理科の先生。
冒頭でも言った通り、先生と1対1で補習をしているのだ。
私は理科、主に物理や化学が嫌いでテストでは赤点を回避出来なかった。
でも赤点者は補習を受けなければならない。
そして最終日は試験を受ける。
それに合格しないと進級や卒業はできない。
だから今こうやって先生に教えてもらってるんだ。
「………さん、Aさん!」
「は、はい!」
いきなり声を掛けられた。
「どうしたの?手が止まってたけど」
りぶ先生は私の顔を覗き込むようにして言った。
「いえ、少し考え事してただけなんです」
「そっか、体調不良とかなら言ってね?」
そう言い私達は再び勉強に励んだ。
この恋は、叶うわけがない。
叶わないとは思う。
だって教師と生徒だもの。
禁断の恋だなんて言っても過言じゃない。
この想いは胸に秘めるんだ。
でも先生が好きなのは諦めない。
だって、諦めたらもうそこで終わりだから。
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作者名:歌い手恋文企画 x他6人
作成日時:2017年3月15日 21時