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「その反応は図星...?」
「...うん。...まぁ......」
「...そっか、君に俺は、こう見えてるんだ」
「あ、あのっ!
成瀬くんは、雨の日に...
いつも、どんな世界を見ているんですか?」
彼は少し迷って、こう言った
「そうだな...
俺はセカイなんて大層なものは見ていないよ
ただ、雨の日は心地いいから
雨の音を遠くに聞きながら
言葉の森を歩くんだ。
真夏の深緑のような森の中
赤や黄色の言の葉を求めて」
「っ、かっこいい...」
「そうして俺は美しいものしかない...
森、いや...箱庭かな
そんなものを、作りたいんだ」
雨音と微かな人の気配で満ちている教室
ここに見合う言葉が、見つからない
私はそっと息を詰めた。
「ねぇ、俺達はまだ中学生だ。
ガキで、そう、なにもしらない
未知とは無防備、
言い換えれば弱いということだ。
好奇心に足踏みするのは勿体ない
ねぇ、名前を...教えてよ。」
とくり、音を立て始める心臓
恋の、始まる予感
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next writer→遊星
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怠惰少女(プロフ) - 続編おめでとうございます!皆さんの作品はどれも素晴らしく、1人1人の登場人物の感情が繊細に伝わりました。素敵な作品をありがとうございます (2017年3月14日 18時) (レス) id: 3b0ab35ee3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:歌い手恋文企画 x他2人
作成日時:2017年3月1日 19時