9錠目:『君を救うのに理由はいらない』 ページ8
＿
｢? 決まってるじゃない。あ、もしかして冴えない喫茶店の店員なんて嫌だった?｣
｢違っ、あの……俺｣
｢私の元で働いてくれない、かな?…これでもスカウトしてるつもりなんだけど｣
Aは照れたように瞬きを繰り返し、チラチラとこちらを見る。
｢でも飲食の仕事したことない、から……｣
｢あはは、私も経験は浅いよ。星章の高等部はアルバイト禁止だったもんねぇ。大学ではバイトそっちのけで勉強して体力使い切ってばかりだったし｣
｢すると、こういう鈍感エリート女子が出来上がるってワケだ｣
折緒がコーヒーカップをテーブルに置き、隣に座るAを呆れた顔して親指でさす。
｢な゛ッ!? なに鈍感って!! これでも流行には敏感に反応して取り入れてるんですけど!!｣
｢……ほらな?｣
なるほど、と思わず吹き出してしまった。
｢さ、佐曽塚までなんで笑うの?! 私、真剣に貴方を雇おうとしてるんだけど!!｣
｢ん...ふふ、ごめ、やっぱりAは今でも変わってない、なっ...て｣
｢そう? これでも大人になろうと必死になったんだけど。.....それに、同意の元とはいえ、貴方の職を一度無にするのよ? 無計画に｢再就職先未定のまま退職｣なんてこと、させないからね｣
｢あ、鈍感については認めるのか?｣
｢いいえ不服です、大いに不服です!!...でも私はこの不服にめげずに今日の晩御飯の買い出しに行こうと思います｣
｢お、今日の晩飯なに?｣
｢...やっぱり折緒に行ってもらう｣
冷蔵庫の中身を確認しながらAはそう言うが、間髪入れずに折緒はあからさまに嫌な顔をし｢ハア!?｣と声を荒げた。
｢Aが作るんだろ? お前が買いに行けよ〜｣
｢折緒の好きなお酒、上限4000円。…ちなみにプレモルとハイネケンとホワイトベルグはストックで置いてある、あとラガーと金麦......どう?｣
｢……ノッた｣
折緒は差し出された買い物リストのメモを勢いよく取り、外へ飛び出しそうとする。
｢待って折緒、鍵持って行って｣
｢? お前もどっか行くのか?｣
｢うん、多分折緒の帰りの方が早いと思うから、ね｣
佐曽塚を横目に葡萄のストラップが付いたこの店の鍵を渡す。その際、二人は何かを意味を含んだようなアイコンタクトをした。
｢気をつけろよな｣
｢勿論。.....さて佐曽塚、行こっか!!｣
｢? どこに?｣
｢決まってるでしょ。荷物を取りに貴方の家へ向かうの。あ、車は私が出すよ。最寄りは何処?｣
｢...ここから4駅、ぐらいの、××ってところ｣
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10錠目:『高級車と蟠りing』→←8錠目:『私(わたくし)、攻めます。』
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星猫 - もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月8日 11時) (
レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - ゆりりんさん» わ〜!! 勢いある挨拶ありがとうございます〜^^ ちまちま更新していきますので気長にお待ち頂けると幸いです (2021年2月2日 1時) (レス) id: f96d68692e (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - まず最初に…好き!!（挨拶）続きが読みたくてたまらないです！ (2021年2月1日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 棘水さん» 了解です！また何かあったら声掛けますんで、これからも更新頑張って下さい！！ (2019年4月9日 15時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - アインツバルさん» コメントありがとうございます!! が、合作イベント....!!大変魅力的で参加したい気持ちは山々なのですが私生活の多忙や内容が合作内容が全く分からず他の皆様にご迷惑をかける可能性しかないので今回は辞退させて頂きたく思います....また機会がありましたら是非....!! (2019年4月8日 22時) (レス) id: c7cb6e701d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棘水 | 作成日時：2018年7月20日 13時
