君に贈る愛の言葉! 4 【中編】 ページ22
「…は?」
思わず声が出た。
どうやって?
『私の知り合いにね、いるのよ。スタンド使い。
能力は“コピーする”。
人間の体質をコピーして別の人間に反映することができる。
だから、あの子のスタンドをコピーして私に反映した。』
「こいつッ…!」
だから、だからこいつがスタンドを使った時、三ヶ野は焦ったのか…?
＜な、んで…なんで姉さんが…!?＞
『そうしたらDIO様は私を受け入れてくれた。
館に居させてくれたの。
母に要らないほどの愛情を受け、呆れた私を。』
何で。
『あの子にお仕置きしてあげたのよ。
勿論、こいつにも。』
そう言って苦しそうに喘ぐ花京院を指差した。
『…時間切れ。バイバイ、承太郎…』
「っ待て!!」
逃げられた。
俺だけでも、あいつを…三ヶ野を。
戻さなければ。
典明。
「………」
典明……
「……ん…」
起きて。
「………?」
私から、逃げて。
「な、にをっ…!?」
目が覚、めたら、私、から出来る、だけ遠くに、逃げ、て。
「待って」
お願い、だから…“姉さん”に捕、まらないで!!
「あ」
彼女の名前を言おうとした瞬間、目が覚めた。
「っう…!」
…此処は、承太郎の家…?
ああ、そうだ。
僕は確か倒れて……夢で……彼女に…!!
「逃げないと…いけない…ッ!!」
僕はまだ重い自分の体を動かして承太郎の家を出た。
遠く、何処へ?
何処に?
そんなの、当てはない。
彼女の言う姉さん。
言っている通り、彼女の姉だろう。
動揺の仕方が嘘ではなかった。
声質だけで分かる。
本当に、やばいのだと。
知らない内にあまり見慣れない所にまで来てしまった。
さすがに大丈夫だと思う。
…状況を把握しよう。
彼女は何で逃げろと言った?
それに、姉から逃げろと言っていた。
彼女の姉はDIO側の人間。
能力は彼女と全く同じ。
ここが引っかかる。
何故、全く同じなんだ?
容姿も、能力も、全て。
姉妹だから?
この説もあまり筋が通らない。
姉妹だから、スタンドが同じなんて…考えられない。
…どうしよう、考えていても解らないことが増えていくだけだ。
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作者名：ルーナ＠出戻り | 作成日時：2015年6月17日 17時
