君に贈る愛の言葉! 2 【中編】 ページ20
突然だった。
私の家に一通の手紙が届いたのは。
ありもしない期待を抱いて私は手紙を開く。
二つの文字。平仮名。
『ねぇ』
下の方にも何か見えた。
でも、見てはいけないと、これは＿＿＿
私の知る“ 花 京 院 典 明 で は な い と 。 ”
駄目だ、もうこの手紙を見てはいけない。
なのに、視線はどんどん下へ下がる。
『今』
駄目。
『い』
やめろ。
『く』
あ。
『よ』
終わったな。
心内で悟った。
「今、行くよ。」
背後で声が聞こえた。
〔先週、＿月 ＿日。
＿＿高校の生徒、三ヶ野 ＿＿(16)さんが行方不明になっており、警察は＿＿＿〕
テレビの無機質な音。
ニュースの内容。
〔＿＿＿しかし、昨夜、三ヶ野さんは自宅に自ら帰宅。
ご家族が事情を聞くにも、反応はなし。
明らかに様子がおかしいと見られていて、警察はその点についても調べを進めて＿＿＿〕
そこまで見てテレビの電源を直ぐ切った。
そろそろ登校時間だ。
登校し、席に着くも右後ろの席は空いている。
「花京院。」
この声は承太郎か。
「…あいつが。」
知ってる。
＿＿＿実は僕、エジプトでDIOと戦い、時計台を破壊した後から記憶がすっ飛んでいるのだ。
あれから、もう何十日も経っていることを聞いて驚いたくらいだ。
だけど、僕は…一回、“死んだ身”だった。
確かに僕はあの時に死んだのだとSPW財団の人に言われた。
あれから、少し…1時間ぐらい経った時。
僕の息は吹きかえした。
SPW財団の人はとても驚いていたそうだ。
しばらくは生死の境界線を彷徨っていたらしいけど。
意識がはっきりしたのは先週辺り。
＿＿＿彼女がおかしくなってしまった日。
やはり、彼女と僕の蘇生には何か関係があるのか…?
けれど、そんな都合よく答えが出てきてくれるわけなかった。
「分かっているさ。」
彼女に何があったかは分からない。
でも…諦められない。
彼女がおかしくなってしまった原因を…調べなくては。
「…何をすんのか分からねぇが…俺も協力するぜ。」
ああ、もう。
こういう時の承太郎ってすごく頼もしい。
いや、旅の時も本当に頼もしかったけどさ。
やっぱり、旅の仲間がこんなことになったこともあってか、一段と頼もしく見える。
早く、誰かから情報を聞き出さないと…!
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作者名：ルーナ＠出戻り | 作成日時：2015年6月17日 17時
