好きな人は遠きにありて愛でるもの…だけど (ページ9)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:312,349 hit

59 ページ9

YG「だから、お前の事は諦めさせたくなかった。」

静かに話していたユンギさんの声色が変わる。

A「・・・ユンギさん？」

YG「俺は基本、ヒョンの味方。
だけどもし、Aの事進展させられなかったら・・・」

あの気怠そうなユンギさんからは想像できないほど、私を真っすぐに見つめる真剣な目。

次の言葉に耳を疑った。

YG「俺がAを奪うって、ヒョンに宣言してやった。」

へ？・・・？奪う・・・？

A「・・・ちょっとユンギさん？冗談…」

YG「俺、冗談でも、んなこと言わねぇんだけど？」

ユンギさんの雰囲気に気圧され一歩、後退る。

ジリジリと近づくユンギさん。

チラッとどこかを見たけどすぐに視線は私を捉えた。

壁際に追い込まれた。

避けようとすると、ユンギさんが壁に片手をついて逃げ道を塞いだ。

私を逃がさないつもりでいる・・・。

YG「お前さ・・・結局どっちが好きなわけ？」

どっち？
私・・・私は・・・

A「えっと・・・まだ・・・。」
YG「へぇ・・・まだわかんねぇんだ？それとも俺に隠してるつもりでいるわけ？」

私の顎を持ち上げると、ぐっと距離を詰めてきた。

YG「まぁ、いいや。
・・・どっちも選べないなら・・・俺にしろよ。」
A「ちょっ…何言って・・・」
YG「そうすりゃ楽だろ？あいつらは、俺が黙らせてやるよ。」

やだ・・・怖い・・・いつものユンギさんじゃない！

YG「さぁ、純粋(おこちゃま)なA・・・どうする？」

ユンギさんの顔がどんどん迫ってくる・・・。

このままじゃ・・・。

助けて・・・

「・・・やめろよ。」

声のする方を見ると、

怒りに満ちた目で、肩で息をする主任の姿があった。