〜遭逢〜 8 ページ9
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「た、助けていただき、ありがとうございます」
「……いや。怪我とかしてないんならひと安心だ」
モーテルのベッドで、事の後でもないのに頭から布団を被ったままの女に感謝された俺。
俺も俺でこの状況を楽しむように女の横で肘枕でニヤついていた。
意を決したように目元まで布団をめくり、切れ長の力のある瞳が俺を捉える。
「あのっ……」
「ん?」
「何で……私……こんなところに……」
「覚えてない?」
顔をギリギリまで近づけると、真っ赤になって困ったように視線を反らし、蚊の泣くような声で、すみません。となぜか謝る。
それが俺のツボに入った。
「ふはっ!あははははっ!」
「なっ……なぜ笑うんですか?」
「あはははは!お前こそ何で謝るんだよ?」
むっとしたのが目の表情だけでもわかる。
悪かったと謝ってベッドから起き上がり、ソファに座ってここへ連れてきた経緯を話した。
「本当にありがとうございます!」
ベッドの上に座り、深々と頭を下げた女。
女は、連れ込まれた場所が場所だっただけに、とんでもない思い違いをしていたらしい。
俺としてはそっちもちょっとは期待したんだけど、それは言わないでおくか。
「あいつら、本当に面識はねぇんだな?」
「はい、どうにか逃げようと思っていたところだったので、助かりました」
また深々と頭を下げる女。
「あの、私の見間違いなら申し訳ないのですが、」
「ん?」
ベッドに座っていた女が立ち上がり、恐る恐る近づく。
そして。
「目が……赤い気がするんですけど……」
「………………」
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あがしおん(プロフ) - かなこさん» コメントありがとうございます!ドキドキ&しっとりとした雰囲気を暫しお楽しみください♪ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - こんな僕でも…を読み返そうかなと思っていたらまさかのユンギ verの連載が始まっててすぐ読みました(*^^*)こっちのお話もドキドキさせてもらってます(〃ω〃) (2019年7月2日 23時) (レス) id: 9abaeb2ac4 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» コメントありがとうです!あぁっ!心臓大丈夫ですかっ?!男前ユンギさんが描けてるなら、もう作者いうことないです! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - たきゆさん» コメントありがとうございます! ええ、切ねぇです。正直切ねぇです。切ねぇですが!ボチボチゆるっと更新をお待ちいただけたらなぁ、と! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - ユンギがぁ〜男前過ぎて、心臓が痛いです!! (2019年6月25日 21時) (レス) id: 3d660c888b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あがしおん | 作成日時:2019年6月5日 21時