〜伴侶〜 6 ページ36
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「本来こんな話、妻に迎えてもいない女に話すことじゃねぇんだけどな」
お前には全部話してしまう。
背負わせてしまう。
今までの女にそうさせることに慣れていたはずなのに、心苦しいと感じるのは……。
「あんまりこの時期にお前に会わねぇ方がいいのかもな……」
「そんな寂しいこと、言わないで」
シュンと萎んだ声が腕の中で聞こえる。
「私、身体は弱いけど、ユンギの期待に出来る限り添えられるように頑張るから」
「A……」
「だから、会わないなんて言わないで。貴方と一緒にいたいの。もう独りぼっちにはなりたくないの……」
「……ごめん。もう言わない。
それに頑張らなくてもいい。いつも傍にいてくれて、笑っていてくれたらそれで……」
「……それで俺は嬉しいから」
もうすっかりAに深い愛を覚えてしまったから。
「なぁ、A」
「……ん?」
いつ言おうかと、二の足を踏んでいた。
いつか必ず言わなくちゃと、焦りを感じていた。
でも他の女たちより生きる時間が短いのなら、もうこれ以上躊躇なんてしていられない。
「……俺に添い遂げてくれないか」
「ユ……」
例え俺達の間に子を成せなくても、お前を愛したい。
例え短くても、お前と一緒にいたい。
そして守りたい。
「お前の残りの時間の全てを俺にくれ」
──零時を超え、迎えたクリスマス。
「……はい」
「不束者ですが、よろしくお願いします」
俺達が二人で歩むことを誓った夜。
〜伴侶〜
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あがしおん(プロフ) - かなこさん» コメントありがとうございます!ドキドキ&しっとりとした雰囲気を暫しお楽しみください♪ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - こんな僕でも…を読み返そうかなと思っていたらまさかのユンギ verの連載が始まっててすぐ読みました(*^^*)こっちのお話もドキドキさせてもらってます(〃ω〃) (2019年7月2日 23時) (レス) id: 9abaeb2ac4 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» コメントありがとうです!あぁっ!心臓大丈夫ですかっ?!男前ユンギさんが描けてるなら、もう作者いうことないです! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - たきゆさん» コメントありがとうございます! ええ、切ねぇです。正直切ねぇです。切ねぇですが!ボチボチゆるっと更新をお待ちいただけたらなぁ、と! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - ユンギがぁ〜男前過ぎて、心臓が痛いです!! (2019年6月25日 21時) (レス) id: 3d660c888b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あがしおん | 作成日時:2019年6月5日 21時