〜伴侶〜 ３ ページ33
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「あいつ、こんなに豪勢な飯は家じゃ滅多に食わないらしいからな。たまにはな……」
「……そうでしたか。分かりました」
「じゃ、頼むな。社長室にいるから。…………俺、酔っぱらったから先帰るわー。あとはご自由にー。程々にしとけよー」
「「ありがとうございまーす！社長！」」
泥酔寸前の従業員たちにひと声かけ、騒がしいミーティングルームを後にした。
秘書様にオードブルを包んでもらう間に社長室兼仮眠室へ戻りひと休み。
やがて控えめにノックが聞こえ、静かにドアが開いた。
「お待たせしました」
「あぁ、悪いな」
ほんのり飯の匂いが漂う袋を手に取ると、そっと手が重なる。
「……ユンギさん」
こいつが俺を役職で呼ばない時は。
「……何だ、スヨナ？」
俺の“食事”相手としての立場に変わる瞬間。
「私では、ダメだったの？」
「……見つけちまったからな」
「……そう。美味しいの？その人」
「それ聞いてどうする？」
「興味本意？」
「何だよそれ。ヴァンパイアじゃあるまいし」
スヨンの言いたいことは全部解っている。
Aの話をする度にスヨンは嫉妬の香りを漂わせていたから。
そんな風に苦しむなよ、美人が台無しだって。そう言ってやったら悲しげに笑ったスヨン。
「持って生まれたものに嫉妬するのは間違いだ」
「でも、私は──」
「スヨナ、」
遮るように名を呼ぶと、重なる手がピクッと強張る。
「ユンギさん、私……ユンギさんが……」
「俺じゃお前を幸せにしてやれない」
「ユンギさ……」
お前のその気持ちに、この俺が気づいてない訳がないだろ？
だが、知っていて、分かっていて傍に置いた。
気づいていても言わなかった。
気づかない振りをしてスヨンの気持ちから逃げ、“食事”と仕事のパートナーとしてだけスヨンを求めた。
そうやってこいつを縛り付けてしまっていたんだ。
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あがしおん(プロフ) - かなこさん» コメントありがとうございます！ドキドキ&しっとりとした雰囲気を暫しお楽しみください♪ (2019年7月3日 7時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - こんな僕でも…を読み返そうかなと思っていたらまさかのユンギ verの連載が始まっててすぐ読みました(*^^*)こっちのお話もドキドキさせてもらってます(〃ω〃) (2019年7月2日 23時) (レス) id: 9abaeb2ac4 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» コメントありがとうです！あぁっ！心臓大丈夫ですかっ？！男前ユンギさんが描けてるなら、もう作者いうことないです！ (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - たきゆさん» コメントありがとうございます！ ええ、切ねぇです。正直切ねぇです。切ねぇですが！ボチボチゆるっと更新をお待ちいただけたらなぁ、と！ (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - ユンギがぁ〜男前過ぎて、心臓が痛いです！！ (2019年6月25日 21時) (レス) id: 3d660c888b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2019年6月5日 21時
