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二宮くんに片手を軽く上げた翔くんが
そのままコッチに向いて歩いてくる。
まるで翔くんの隙間を埋めるように
自然に輪に加わる二宮くんが見えた。
なんか、さすがだな、二宮くん。
ていうかなんで分かるんだろ。
エスパーかな。
…後でお礼言わなきゃ。
「何かあった？」
困ったように眉毛を下げながらも
伝わる声色はいつも通りで。
でも目が合ったとたん視線を揺らす翔くんを見て
やっぱ避けられてたんだって思うと苦しくなる。
「あ、あのね。
えっと…あの、昨日はっ、ごめんね？
せっかく送ってくれたのに感じ悪くて…
あの人、幼馴染なんだけど家族みたいなもんで
んっと…あ、松本、さんって言って…」
「知ってる。」
「え？」
「あーあれ…さ、松本先輩…だろ？
俺生徒会一緒だったんだよ。
まぁ関わりはあんまなかったけど。」
「あっ、うん…そう、だね。」
「それにあの人さ、超有名だったし。
イケメンで成績優秀でスポーツ万能つって
いっつもキラキラしてすげぇモテてたから。」
「あ…うん。だよね…。」
ん？だよね、はおかしい？
イケメンってのを肯定したいんじゃなくて。
や、たしかにその通りでもあるんだけど。
そうじゃなくって…
だよね、知ってるよねっていう意味で。
「あっ、ちがっ…。
そういう意味じゃないんだけど…。
って何言ってんだろ…分かんないよね…はは」
もうムリ。ってちょっと諦めかけたときに
運よくというべきかどうなのかチャイムがなって
またホッとしてる自分がいる。
「あっ…えと…なんかごめ…」
「ごめん。」
あたしのごめんに重なる翔くんのごめん。
昼休みが終わる。
翔くんの向こうに二宮くんが見えて
タイムリミットはあと僅か。
「違う。ごめん。Aは悪くない。
つぅか、俺こそ感じ悪かったよな。
別に怒ってたわけじゃねーから。
なんてか…ただの嫉妬つか…だからごめん。」
かすれ気味の低い声。
下を向きながらぽってりした唇をこする指。
んじゃってガシガシ頭を掻いて去ってく背中。
照れてぶっきらぼうになる態度が翔くんらしくて
怒ってないって分かった途端に
そんな背中に声をかけたくなるあたしって
ホントに自分勝手なのかもしれないと思った。
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でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉(о´∀`о)単純な作者なので、きっと今日明日にはまた何話かUP出来ると思います（笑）最後まで是非お付き合いください(^^) (2019年11月8日 10時) (
レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 実はこういったお話が凄く好きで不器用だけど真っ直ぐな皆とか何か確執みたいなものを抱えているとか…でこぼこさんの作品をもっと読みたいと思いました！ (2019年11月6日 10時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» コメントありがとうございます(*^^*)あやふやな関係やふわふわした感情に翻弄され気味の主人公が、嫌われたら可哀想だなと思っていたので、愛おしいと言って貰えたことがとっても嬉しい！櫻宮さんの言葉を励みに、また書き進めていきますね(´∀｀*) (2019年11月5日 16時) (レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 皆不器用だけど真っ直ぐで…そんなあやふやな位置関係にいる主人公が健気で愛おしくて好きです。早く次が読みたい！ (2019年11月5日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でこぼこ | 作成日時：2018年11月29日 14時
