【あんスタ】溺愛し過ぎるカレと鈍感過ぎる転校生【日々樹渉】

プロローグ ページ2

No side…


路地裏で、複数人の男達と1人の少女が対峙していた。

バキッ
「うぁっ」

ドカッ
「ぐぅ…！」

雑踏から外れた静かな空間に、男達の悲痛な呻き声が響く。

「ま、待て……がぁッ！」

最後の1人が気を失うと、少女は路地裏から姿を消した。



Aside…

何処にも居場所が無かった。

学校での悪質な虐め。

親からの虐待。

消えることの無い傷、痣。

ずっと何かに怯えて生きてきた中で、俺は気付いた。俺の事は俺が守らなきゃいけないんだって。その為には強くならなきゃいけないんだって。

でも結局、俺もアイツらと一緒になってしまった。

きっと力は暴力なんだ。

周りの人を傷付けるばかりで何も守りはしてくれない。

自分を守りたかった筈なのに、相手を傷つけて終わるだけだ。何も救われてないのに。

きっと新しい学校でだって上手くいく訳がない。なるべく、他の人に害がないように振る舞おう。敵意や悪意を向けられない様に。それだけでいい。


そもそも俺に、生きる資格なんか無いんだから。




.

第1話→←設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す