生み出した駆動力【入間銃兎】

進み ページ6

・




昼下がりのある日。
モソモソと軽食を食べながら、ある人物に問いかける。




『ねー、この前女性の先輩にAさんは恋人はいるの？って聞かれたの』

左「ア"ァ"！？」

『それでね、いないですって答えたらさ。好きな人は？って聞かれたんだけどさ』

左「……この状況で恋バナするバカがいんのかよ。いいから早く出せ！！」

『銃兎がしばらく反省してろって言ってたから暫くそこにいて』




相も変わらず懲りずに市中で暴れ回り、お咎めを受けている最中である左馬刻は鉄格子の中にいる。

署内の簡易的な所謂、牢屋に手錠をつけられたままで放置されている左馬刻は不機嫌そうに頭をかいた。




『でね、好きな人は？って聞かれた時に思い浮かんだのがさ……銃兎でさぁ』

左「お、え…？…お、おう…」




ガチャガチャと手錠を鳴らしながら暴れていた左馬刻はピタリと動きを止め、戸惑いの言葉を漏らす。




『確かに好きだよ？でも、左馬刻も理鶯も好きなのに。なんで銃兎だけが思い浮かんだのか不思議で』

左「なんて答えればいいんだよ…」




困ったように私から目を逸らす左馬刻。

経験不足で色々とすっ飛ばして来てしまった人生。
私には分からないことが沢山ある。





先日、銃兎が他の女性署員と巡回に行くことになった時に感じたモヤモヤとした感情。

私に対する周りからの評価や目が痛く感じる。
私の噂話を耳にしてしまった時に心がズキズキと痛んだりする。

学生時代には経験したことの無い、心の動き。




理解が出来なくて、頭で考えようと理屈でどうにか抑えようとすると頭が熱くなる。




・

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←一服

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す