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雪「……」
家に帰って、父と話をした
話の途中で母が父に話しかけることがあったが、それも上手くかわしていた
父曰く
母の父親、私の祖父が後継者として当時副社長だった父の同期で親友を社長に選び、現社長として腕を奮っている人の末の息子がどうやら私を見初めたらしい
そこで、私とその息子さんとのお見合いをすることになったという
母は、乗り気で父は、私の気持ちに任せるという
守「嫌だったら断って構わん
あれと結婚したとして俺になにか得することはあまりないからな
それに俺は、俺の出世には興味はあるが、俺以外の出世に大して興味はない
故に、たとえ俺の孫が出世しても俺の手柄では無いため興味は無い」
雪「はぁ…」
……この人こんなに喋れたんだ
「久しぶりに娘に会えて口数がとても増えてますねぇ…専務」
守「佐藤…うるさいぞ」
ギロッ、と私なら震え上がってしまうような目で父に睨みつけられるものの
余裕の表情でにこぉ、とからかうような顔を見せたのは、父の秘書の佐藤さん
彼は、父とは大学生の時のバイトで知り合ってからの仲らしい
実家から半ば家出するように上京した父は、アルバイト詰めで大学にも行き、名門の大学を主席出入り首席で卒業した努力の天才だと彼は言う
実の娘の私よりも父のことを知っていて、長い時間時を共にしていたことが無性に気に食わないと思う私がいた
美玖「雪ちゃん雪ちゃん!
ねぇ、お見合い、してくれるでしょう?
ママのお願い!!」
きゅぅ、と私の頭を抱き抱えスリスリ頬ずりする母は、本当にかわいい女の子だった
母は、その美貌で社交界で名を馳せていると言うがそれもこれも父や周りのフォローのおかげだろう
会長の一人娘として生まれた母には、母親がいない
仕事に忙しい当時社長だった祖父は、あまりの忙しさに妻と会話をすることもあまりなく、最終的には浮気相手を作った妻に逃げられたらしい
それ故、ひとりぼっちとなった母が寂しくないよう、悲しくないようにたいそう可愛がったとか
その結果、母は使用人たちに甘やかされ、周囲に甘やかされ
蝶よ花よと育てられた結果
善悪のつかない幼子のようにある意味純粋過ぎで、世間知らずで、お世話してもらわないと生きていけない人となってしまったとか
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作者名:藍@315号室 | 作成日時:2020年6月7日 15時